第二次ロシア・スウェーデン戦争

第二次ロシア・スウェーデン戦争

第二次ロシア・スウェーデン戦争（1808年 - 1809年）、通称フィンランド戦争は、ロシア帝国とスウェーデン王国の間で繰り広げられた戦争である。フィンランドを中心に戦闘が展開され、第一次ロシア・スウェーデン戦争に続く形で勃発した本戦争は、両国の関係に大きな亀裂を生じさせ、またフィンランドの運命を大きく変えることとなった。

戦争の背景

元々、ロシアとスウェーデンは対仏大同盟の基で同盟国であったが、ナポレオンの侵攻によって状況は一変した。1807年、ナポレオンとロシア皇帝アレクサンドル1世はティルジットの和約を締結し、ロシアはフランス側に立つことになった。一方、スウェーデンの王グスタフ4世アドルフは、フランスの大陸封鎖令に反抗し、イギリスと連携を試みた。しかし、その努力も実らず、スウェーデンは孤立することとなった。

1807年10月、アレクサンドル1世は、スウェーデンに対して圧力をかける意図を持って再びナポレオンと会談し、フィンランドの「自由処分」に関する密約を交わした。この結果、両国間の敵対が決定的になり、戦争への道が開かれた。

戦争の経過

1808年2月、ロシア軍はフィンランドに8万人で侵攻し、当時1万人しかいなかったスウェーデン軍は戦わずに降伏した。スウェーデンは、さらに徴兵を行って新たに3万人の兵を編成したが、既にロシア軍は優位に立っていた。グスタフ4世は自ら戦線に赴いたが、西南フィンランドでの会戦においてロシア軍に大敗を喫した。この敗北はスウェーデンにとって致命的であり、続いてロシア軍は徹底的に追撃を行い、フィンランド全体を支配下に置いた。

戦争の結果とその影響

1810年、スウェーデンはロシアとの講和に応じざるを得ず、フレデリクスハムンの和約を結び、フィンランドをロシアに割譲した。この条件は、スウェーデンにとって600年間の支配を失うという痛手であり、また大陸封鎖令への参加も強制された。以降、スウェーデンは北欧における影響力を失い、かつての地位は崩れ去った。

ロシアはフィンランドの解放者として振る舞い、フィンランド大公国としての地位を確立。これによりフィンランドは1817年までロシアの保護下に置かれることとなる。戦争後、スウェーデンでは政局も不安定に陥り、王グスタフ4世は廃位される。次に、カール13世が王位につくが、ここでも嫡子不在のため問題が発生した。

この戦争は、ロシアとスウェーデンの歴史において、またフィンランドの運命においても重要な転換点となった。

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