第十三号掃海艇

第十三号掃海艇

日本の軍艦「第十三号掃海艇（だいじゅうさんごうそうかいてい）」は、日本海軍が運用した掃海艇の一つです。これは、同型艦である第十三号型掃海艇の第一番艦にあたります。掃海艇は、水中に敷設された機雷を発見・除去することを主要な任務とする艦艇であり、軍事作戦において艦船の安全な航路を確保するために不可欠な役割を担っていました。

建造

本艇は、昭和6年（1931年）12月22日に藤永田造船所において起工されました。約1年3ヶ月の工期を経て、昭和8年（1933年）3月30日に進水。最終的な艤装作業を経て、同年8月31日に竣工となります。竣工と同時に、「第十三号掃海艇」と命名され、日本海軍の掃海艇として類別登録されました。

艦歴

竣工後、第十三号掃海艇は掃海部隊に編入され、所定の任務に従事しました。昭和12年（1937年）に日中戦争が勃発すると、本艇はその戦線に投入されます。昭和14年（1939年）までの約2年間、中国大陸の華中及び華北といった主要な作戦地域において、掃海や哨戒などの任務に携わりました。太平洋戦争開戦後、日本海軍が南方侵攻作戦を開始すると、第十三号掃海艇もその一員として南方へ派遣されます。昭和17年（1942年）1月12日、ボルネオ島攻略作戦において、タラカン島の泊地にて掃海活動を行っていた際、オランダ軍の陸上砲台からの砲撃を受け、沈没してしまいました。戦場での役割を終えた本艇は、その後、第4予備艦として扱われましたが、終戦後の昭和20年（1945年）11月30日をもって、正式に海軍の艦艇リストから抹消される「除籍」処分がなされました。

歴代艇長

第十三号掃海艇において指揮を執った主な士官は以下の通りです。

艤装員長
磯久研磨 大尉：1933年5月20日 - 1933年8月31日
艇長
磯久研磨 大尉：1933年8月31日 - 1934年1月15日
鈴木正明 大尉：1934年1月15日 - 1934年7月18日
田口正一 大尉：1934年7月18日 - 1935年10月15日
作間英邇 大尉：1935年10月15日 - 1937年6月1日
田中忠政 大尉：1937年6月1日 - 1938年8月1日
神山昌雄 少佐：1938年8月1日 - 1939年11月15日
吉田謙吾 大尉：1939年11月15日 - 1940年10月15日
富岡忠雄 大尉：1940年10月15日 - 1941年9月10日
三宅忠義 大尉：1941年9月10日 - （沈没時まで）

結び

このように、第十三号掃海艇は、その短い艦齢の中で、日中戦争から太平洋戦争初期にかけての重要な掃海・哨戒任務に従事しました。機雷の脅威から艦隊を守る掃海艇の役割は、当時の日本海軍の作戦遂行において不可欠な存在でした。本艇は、その誕生から沈没、そして最終的な除籍に至るまで、激動の昭和史の一頁を飾った艦艇の一つです。

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