第十五号掃海艇

第十五号掃海艇

概要

第十五号掃海艇（だいじゅうごごうそうかいてい）は、大日本帝国海軍が運用した掃海艇の一隻です。同型艦の中では第十三号型掃海艇の3番艦にあたります。主に機雷の掃討や船団護衛などの任務に従事し、その艦歴は日中戦争から太平洋戦争の終末期まで及びました。

建造

本艇は昭和8年（1933年）4月6日に藤永田造船所にて起工されました。約10ヶ月後の昭和9年（1934年）2月14日に無事進水し、その後、同年8月21日に竣工を迎えました。竣工と同時に「第十五号掃海艇」と命名され、正式に掃海艇として海軍籍に編入されました。

戦歴

竣工後、第十五号掃海艇は日本を取り巻く緊迫した情勢の中で様々な作戦に参加しました。昭和12年（1937年）に始まった日中戦争においては、昭和14年（1939年）にかけて中国大陸沿岸域、特に華中および華北方面の作戦に従事しました。これらの地域では、河川や沿岸部の掃海、哨戒といった任務が中心であったと考えられます。

やがて戦線が拡大し、太平洋戦争が勃発すると、本艇の活動範囲は南方へと広がります。開戦初期の南方侵攻作戦においては、上陸部隊の支援や占領地の周辺海域の安全確保に貢献しました。戦局が進むにつれて、海上交通路の維持が重要となると、輸送船団を敵潜水艦や航空機から守る重要な船団護衛任務に多数従事するようになります。過酷な戦況下、多くの艦艇が失われる中で、護衛艦艇として洋上を駆け巡りました。

最期

昭和20年（1945年）3月5日、戦局が最終盤を迎える中、第十五号掃海艇は沖縄方面の那覇から鹿児島へ向かう船団の護衛任務に就いていました。南西諸島の北方海域を航行中、船団はアメリカ海軍の潜水艦「タイルフィッシュ」（USS Tilefish, SS-307）による襲撃を受けます。本艇は「タイルフィッシュ」からの魚雷攻撃を受け、損傷により航行不能となり、鹿児島県の諏訪之瀬島西岸に座礁（擱座）しました。

擱座後、本艇はもはや作戦行動に復帰する見込みがないと判断され、同年5月10日付けで帝国海軍の艦籍から除かれました。短い艦生ではありましたが、日中戦争から太平洋戦争末期に至るまで、掃海、哨戒、護衛と多岐にわたる任務を遂行しました。

歴代艇長

第十五号掃海艇の艇長（艤装員長含む）を務めた士官は以下の通りです。

艤装員長：原田耕作 大尉 （1934年4月1日 - ）
艇長：
原田耕作 大尉 （1934年8月31日 - 1934年11月15日）
北野亘 大尉 （1934年11月15日 - 1936年12月1日）
池田暎 少佐 （1936年12月1日 - 1938年4月6日）
高島鉄郎 少佐 （1938年4月6日 - 1938年12月15日）
古浜智 大尉 （1938年12月15日 - 1940年10月15日）
古要桂次 大尉 （1940年10月15日 - 1941年4月10日）
佐藤長四郎 予備大尉 （1941年4月10日 - ）

※これらの情報は当時の官報や海軍関係資料に基づいています。

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第13巻 小艦艇I』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0463-6
日本造船学会『昭和造船史 第1巻』第3刷、原書房、1981年。ISBN 4-562-00302-2
福井静夫『福井静夫著作集第10巻 日本補助艦艇物語』光人社、1993年。ISBN 4-7698-0658-2
『写真日本海軍全艦艇史 Fukui Shizuo Collection』資料編、KKベストセラーズ、1994年。
海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第9巻、第10巻、第一法規出版、1995年。

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