第1回社会人野球日本選手権大会予選

この記録は、1974年に初開催された社会人野球日本選手権大会の記念すべき第1回大会本戦へ進むチームを決定するために実施された予選の結果をまとめたものです。

本戦への出場枠は、全国の各地区から選出される計22チーム。その内訳は以下の通りです。

北海道地区: 2枠
東北地区: 2枠
関東地区: 3枠
中部地区: 2枠
東海北陸地区: 2枠
近畿地区: 5枠
中国地区: 2枠
四国地区: 2枠
* 九州地区: 2枠

これらの出場枠を巡り、全国各地で熱戦が繰り広げられました。

各地区予選の結果

北海道地区

北海道地区では、まず1回戦、2回戦を勝ち上がった4チームが準決勝（代表決定戦）に進出しました。準決勝では、大昭和製紙北海道が王子製紙苫小牧を4対2で破り、新日鉄室蘭が北海道拓殖銀行に1対0で勝利し、それぞれ本戦出場を決めました。決勝では新日鉄室蘭が大昭和製紙北海道を2対1で下しました。この結果、新日鉄室蘭と大昭和製紙北海道が北海道地区代表となりました。

東北地区

東北地区は、まず各県で1次予選が行われ、勝利チームが東北2次予選に進みました。青森県からは三菱製紙八戸、岩手県からは新日鉄釜石、岩手銀行、盛岡鉄道管理局、秋田県からはTDK、宮城県からは電電東北、福島県からは小名浜クラブが2次予選へ駒を進めました。東北2次予選では、盛岡鉄道管理局が小名浜クラブ、新日鉄釜石が三菱製紙八戸、電電東北が岩手銀行をそれぞれ破って勝ち上がりました。代表決定戦では、盛岡鉄道管理局が新日鉄釜石を2対1で、TDKが電電東北を2対0で退け、本戦出場権を獲得。東北地区代表は盛岡鉄道管理局とTDKに決まりました。

関東地区

関東地区も各都県で1次予選を実施し、勝ち上がったチームが2次予選に合流しました。群馬県からは富士重工業、埼玉県からは日本通運、東京都からは熊谷組、電電東京、多摩地区からは東芝府中、神奈川県からは三菱自動車川崎、キャタピラー三菱が2次予選へ。これに栃木県の全足利クラブ、茨城県の日立製作所、千葉県の電電関東を加えたチームで2次予選が行われました。2次予選の代表決定戦では、電電関東が富士重工業に4対1で、日立製作所が電電東京に3対0で勝利し、本戦出場を決めました。残る1枠を争う3位決定戦では、電電東京が富士重工業を5対1で下し、最後の出場権を獲得しました。関東地区代表は日立製作所、電電関東、電電東京です。

中部地区

中部地区（新潟、富山、長野、山梨、静岡）も、各県1次予選を勝ち抜いたチームが2次予選に進みました。新潟県からは新潟鉄道管理局、富山県からは北陸銀行、静岡県からは河合楽器、日本楽器、しろがね日軽が1次予選を突破。長野県の電電信越、三協精機、山梨県の山梨クラブと共に中部2次予選を戦いました。代表決定戦では、電電信越が日本楽器を8対2で、三協精機がしろがね日軽を6対0でそれぞれ破り、本戦出場権を獲得しました。中部地区代表は三協精機と電電信越です。

東海北陸地区

東海北陸地区（愛知、岐阜、三重、石川、福井）の予選は、1回戦から代表決定戦までが行われました。激戦を勝ち抜き代表決定戦に進出したのは、日通名古屋と西濃運輸、名古屋日産と本田技研鈴鹿の組み合わせでした。代表決定戦では、西濃運輸が日通名古屋を3対0で、本田技研鈴鹿が名古屋日産を4対2で下し、本戦出場を決めました。東海北陸地区代表は西濃運輸と本田技研鈴鹿です。

近畿地区

近畿地区は5枠という最も多い出場枠を巡る激しい予選が展開されました。まず各府県で1次予選が行われ、京都府からは日本新薬、大丸、三菱自動車京都、辻和、大阪府からは電電近畿、日本生命、松下電器、新日鉄堺、デュプロ印刷機、兵庫県からは鐘淵化学、三菱重工神戸、川崎重工、石川島播磨重工業、新日鉄広畑が2次予選に進みました。これに滋賀県の東レ、和歌山県の住友金属が加わり、近畿2次予選が行われました。代表決定戦では、日本生命が石川島播磨重工業に3対1、三菱重工神戸が電電近畿に1対0、住友金属が日本新薬に3対0、松下電器が鐘淵化学に2対0でそれぞれ勝利し、4チームが本戦出場を決めました。最後の1枠を争う敗者復活代表決定戦では、鐘淵化学が石川島播磨重工業を2対0で破り、出場権を獲得しました。近畿地区代表は日本生命、三菱重工神戸、住友金属、松下電器、鐘淵化学となりました。

中国地区

中国地区は、まず岡山県と広島県で1次予選が行われ、勝ち上がったチームが2次予選に進出しました。岡山県からは三井造船玉野が代表リーグ戦を勝ち上がり、広島県からは三菱重工三原、日本鋼管福山、山本鋼材、三菱重工広島が1次予選を突破しました。これに山口県の新日鉄光、協和発酵防府、協和発酵宇部を加えたチームで2次予選が戦われました。代表決定戦では、日本鋼管福山が三井造船玉野を2対0で、三菱重工広島が三菱重工三原を3対2で破り、本戦出場権を獲得しました。中国地区代表は日本鋼管福山と三菱重工広島です。

四国地区

四国地区の予選は、準決勝、決勝が行われました。準決勝では国鉄四国が伊予銀行を4対1で、電電四国が大倉工業を20対4でそれぞれ下し、代表決定戦となる決勝へ進出しました。決勝では電電四国が国鉄四国を8対7で破り、優勝しましたが、両チームともに本戦出場権を獲得しました。四国地区代表は電電四国と国鉄四国です。

九州地区

九州地区の予選は、まず1回戦、2回戦を勝ち上がった4チームが準決勝（代表決定戦）に進出しました。準決勝では、新日鉄八幡が三菱重工長崎を3対2で、電電九州が鹿児島鉄道管理局を3対2でそれぞれ下し、本戦出場を決めました。決勝では新日鉄八幡が電電九州を6対1で破り、優勝しました。九州地区代表は新日鉄八幡と電電九州です。

これらの予選を勝ち抜いた計22チームが、第1回社会人野球日本選手権大会本戦へと駒を進め、社会人野球日本一の座を争うこととなりました。

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