第1次岸田内閣

第1次岸田内閣の概要

第1次岸田内閣は、2021年10月4日に岸田文雄が第100代内閣総理大臣に就任することで発足した。この内閣は自由民主党と公明党による連立政権として形成され、岸田が自由民主党の第27代総裁に選出されることから、前任の菅義偉内閣が総辞職した後に誕生したものである。

菅義偉の後を受けた岸田文雄は、広島県出身であり、広島出身の首相は宮澤喜一以来約30年ぶりのことだった。また、岸田は昭和30年代生まれの首相としても注目される存在であった。彼が就任した内閣は、現行の小選挙区比例代表並立制の下で、初めて1区から選出された議員が首班を務める内閣であった。

内閣の活動

岸田首相は就任初日、衆議院を解散し、総選挙を行うことを発表した。当初計画では、選挙は10月31日に行われ、11月10日には特別国会が召集されることになっていた。この内閣の在任期間はわずか38日であり、日本の憲政史上最短命となったが、実際には衆議院の勢力構成が変わることを受けての総辞職であり、次の第2次岸田内閣への布石とも言えるものであった。

人事異動

内閣発足と同日に、岸田は国務大臣や内閣官房副長官の任命を行った。特に注目されたのは、重要な閣僚ポストに岸田派や旧竹下派、麻生派など、多数の派閥からメンバーを揃えた点である。これにより、政治的なバランスを保ちながらも、政策の推進が可能な体制を築くことを狙っていた。

総辞職に至る前の短い期間にも関わらず、岸田は内閣の活動として「新時代共創内閣」という名称を掲げて所信表明演説を行なった。この演説では、未来に向けたビジョンや政策の方向性について語られ、多くの注目を集めた。

総選挙とその影響

2021年10月31日の第49回衆議院議員総選挙では、自由民主党の幹事長である甘利明が小選挙区で敗北する事態が発生。これを受け、岸田は11月4日付で外務大臣の茂木敏充を新たな幹事長に任命し、同時に岸田自身が外務大臣の職を兼務することとなった。このようにして内閣の人事は短期間ながらも流動的に動いていた。

総括

第1次岸田内閣は、発足からわずか38日で総辞職となったものの、続く第2次岸田内閣へと繋がる重要な役割を果たした。特に総選挙後の新たな国会での勢力構成を踏まえた上での政権交代は、日本の政治における重要な節目となった。岸田文雄がどのようにその後の政策を展開していくかが注目されたこの内閣は、短命であったが深い意義を持つものであった。

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