第1次松山抗争

第1次松山抗争の背景と展開

1964年6月6日、愛媛県松山市で発生した第1次松山抗争は、三代目山口組矢嶋組の組員と郷田会岡本組の組員による激しい銃撃戦として記憶されています。これに至る一連の出来事は、複雑な組織間の対立や犯罪活動にルーツを持つものでした。

発生の経緯

抗争の起点は1964年4月にさかのぼります。この年の4月2日、矢嶋組は松山市の大陸ビルの一室を「八木保」という名義で借り、ここに協同電設株式会社を設立しました。この行動は、電通局の下請け業者としての地位を築くためのものであり、矢嶋組の幹部たちが頻繁に出入りするようになりました。

しかし、約一週間後の4月10日、松山東警察署はこの会社が電通局の下請業者として認可を受けることが難しい状況にあると察知し、内偵を開始しました。6月には、矢嶋組は新たに東雲ビルに入居契約を結び、その3階に拠点を移しました。

この頃、矢嶋組の若衆である末崎康雄は、松山市内のバーで酒を飲んでいるところを郷田会の関係者に突き止められ、連行される事件が発生。その結果、参加者の一人が銃撃を受けるなど、事態は急速に悪化しました。次第に両組織の対立は明確となり、矢嶋組内部では話し合いが行われましたが、即座に解決には至りませんでした。

抗争の勃発

1964年6月7日の日曜日、抗争はついに現実のものとなります。矢嶋組の組員たちは郷田会の組員を人質に取るために、阿部を脅し、東雲ビルに連行しました。この事件を受けて、郷田会は応戦を決意し、武器を持った応援部隊が向かいました。

午前11時50分、郷田会の2台の車両が矢嶋組の組員と出くわし、銃撃戦が勃発。双方は互いに発砲しあい、その結果、数人が負傷しました。通行人は110番通報を行い、松山東警察署は緊急対応を開始しました。

警察の対応と抗争の終結

午後1時には、警察隊が東雲ビルに到着。矢嶋組の組員たちは立てこもり、窓から武器で威嚇射撃を行い、大勢の見物人が集まりました。しかし、午後4時には警察が催涙弾を使用し、捜査員がビル内に突入。他の組員たちは逮捕され、事態は収束を迎えました。

抗争の結果、矢嶋組の組員約20人が逮捕され、郷田会の41人も拘束されました。さらに、矢嶋組の組長は凶器準備集合罪で検挙され、組織の指導者同士の対立も深刻化しました。

この抗争は、愛媛県内の組織犯罪の激化を示す事件として、多くの人々に記憶されています。そして、結果として双方の組織に大きな影響を及ぼすこととなりました。

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