第1独立原子力発電所防護大隊 (ウクライナ国家親衛隊)

第1独立原子力発電所防護大隊の概要

第1独立原子力発電所防護大隊は、ウクライナの国家親衛隊に属する独立した部隊であり、チェルノブイリ原子力発電所とその周辺の立入禁止区域を警備する重要な任務を担っています。1980年に設立されたこの部隊の目的は、当時のソ連国内軍の一環として、チェルノブイリ原発の安全を確保することでした。1981年には運用を開始し、1982年には独立した部隊として活動を本格化させました。

歴史的背景

この大隊が直面した最大の危機は、1986年4月のチェルノブイリ原発事故です。事故発生時、大隊は真っ先に現場に派遣され、状況の収集や住民の避難、さらには原発の安全確保に動きました。事故後の数年間は、立入禁止区域の警備を遂行し、その任務は1987年から1990年まで続きました。

1990年にスラブティチに移転し、1991年にはウクライナ国内軍の管轄下に置かれました。この時期に大隊は、核燃料や施設の盗難を防ぐための様々な任務を引き受けることになりました。2014年にはウクライナ国家親衛隊に移管され、組織の一部として新たな形での活動が開始されました。

2022年のロシアによる侵攻

2022年2月、ロシアがウクライナに対して大規模な侵攻を開始した際、大隊は再び注目を集めました。2月24日の朝、発電所の職員は予定されていた交代勤務が中止され、その正体が厳戒態勢下に置かれました。原発や周辺地域には、約300名の人々が取り残されていました。

ロシアの軍隊が立入禁止区域に侵入し、するや否や、大隊の兵士たちはこの侵略者と直面しました。防衛のための重火器を持たなかった大隊は、数時間にわたりロシア軍との交渉を行いましたが、最終的には降伏を余儀なくされました。169名の兵士のうち、多くは捕虜となり、その後、70名が解放されました。

現在の活動

ロシア軍がチェルノブイリから撤退した後、大隊は任務を再開し、原発の安全を保つための活動へと戻りました。その後、2024年には部隊増強が行われ、第28国家重要施設防護連隊へと改編されました。現在も、チェルノブイリ原子力発電所の警備を重要な任務として続け、地域の安全を守るために尽力しています。

編制

大隊の編成は、以下のように複数の部門で構成されています：

• - 大隊本部
• - オブジェクト司令室
• - 第1特別司令室
• - 第2特別司令室
• - 特務小隊
• - 戦闘・後方支援小隊
• - エンジニアリング、技術および通信小隊
• - 特別貨物保護部隊
• - 医療センター

これにより、大隊は多様な任務に対して対応できる体制を整えています。将来にわたっても、チェルノブイリ原子力発電所の安全を確保するための重要なミッションを続けていくことが期待されています。

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