第10回全国大学ラグビーフットボール選手権大会

日本の大学ラグビー界における最高峰の戦い、全国大学ラグビーフットボール選手権大会の第10回大会は、1973年の年末から1974年の年始にかけて開催されました。この記念すべき節目の大会には、全国各地の地区リーグを勝ち抜いた精鋭8校が集結し、大学日本一の称号をかけて熱戦を繰り広げました。激しいトーナメントを勝ち上がり、最終的に栄冠を手にしたのは早稲田大学でした。

大会概要

第10回大会は、全国から選ばれた8チームによるトーナメント形式で争われました。大会の日程は、1973年 12月22日と翌23日に1回戦を実施。年が明けた1974年 1月4日に準決勝、そして1月6日に決勝戦が行われるというスケジュールでした。試合会場については、準決勝と決勝の重要な試合は、伝統と格式ある国立競技場で開催されました。一方、1回戦については、関西地区のラグビー拠点である西京極競技場と、九州地区の中心である平和台競技場が使用され、それぞれの地域で熱い戦いの幕が開けました。

出場校は、当時の大学ラグビー界の主要な勢力図を反映した顔ぶれとなりました。関東地区からは、関東大学対抗戦の上位校である早稲田大学（1位）、明治大学（2位）、慶應義塾大学（3位）の3校が出場しました。また、関東大学リーグ戦の覇者である専修大学が参加しました。専修大学にとっては、この大会が記念すべき初めての全国大学選手権出場となり、新たな歴史の一歩を記しました。関西地区からは、関西大学リーグの優勝校である天理大学（1位）、同リーグ2位の京都大学、そして関西地区代表として中京大学が出場しました。さらに、九州地区代表として福岡大学が参加し、全国から集まった全8校が出揃いました。

出場校の中には、早稲田大学のように10年連続出場という輝かしい実績を持つ常連校もあれば、明治大学や慶應義塾大学、天理大学、中京大学、京都大学、福岡大学といった、過去にも出場経験を持つ実力校が含まれており、それぞれのチームが培ってきた歴史と伝統、そして地域代表としての誇りを胸に、優勝を目指しました。例えば、早稲田大学はこの時点で10回目、天理大学は7回目の出場となっていました。大会の進行形式としては、各試合の勝者が次のラウンドに進むシンプルな勝ち残り方式が採用されました。インプット情報にある通り、この大会では敗者による3位決定戦は実施されない形式でした。

優勝校：早稲田大学

白熱した各試合を勝ち上がり、第10回大会の決勝に駒を進めたのは早稲田大学でした。決勝戦は1月6日に国立競技場で開催され、多くのラグビーファンが見守る中、早稲田大学が見事なパフォーマンスを披露しました。この優勝は、早稲田大学にとって全国大学選手権で通算6回目の栄冠獲得となりました。これは、前回の優勝から2年ぶりの制覇であり、これにより早稲田大学は、大学ラグビー界における強豪としての地位を改めて揺るぎないものとしました。

大会の意義

第10回という節目を迎えたこの大会は、日本の大学ラグビーの歴史において重要な位置を占めています。全国の有力大学が集まり、真の大学日本一を決定するという大会の目的が、回を重ねるごとに浸透し、年末年始のスポーツイベントとしての注目度を高めていました。この大会に出場した多くの選手たちが、後に日本ラグビー界を牽引する存在となっていきます。第10回大会は、単なる一度の競技会としてだけでなく、日本のラグビーフットボールの発展に寄与する礎の一つとなった大会と言えるでしょう。

関連事項としては、この大会は「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」という、現在も続く大学ラグビー最高峰の大会の歴史の一部を形成しています。

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