第10回国民体育大会

第10回国民体育大会

第10回国民体育大会は1955年に行われ、これまでの大会とは異なり、天皇杯と皇后杯が年間の通算成績に基づいて授与されることが決定しました。この改革により、選手たちの競技に対する意識が一層高まることが期待されました。

持ち回り開催に関する通達

1954年11月、自治庁から体協会長に宛てた通達で、今後の大会は持ち回りでの開催を中止するよう要請がありました。その理由は、地方財政の厳しい状況に起因しています。この方針は国会でも議論され、最終的には閣議決定として承認されました。政府関係者と体育関係者との話し合いの結果、1957年に予定されている静岡国体までは従来の形式を維持し、その後は経費削減と国庫補助金の増額を図り、地方財政における負担軽減を実現することが決まりました。このため、持ち回り開催は当面の間継続されることになりました。

大会の概要

冬季大会

スケート競技

冬季大会におけるスケート競技は、1955年1月27日から1月30日まで長野県諏訪市で開催されました。この期間中には、多くの選手が各種のスケート競技に参加し、熱戦が繰り広げられました。

スキー競技

スキー競技は1955年3月3日から7日まで、北海道旭川市および神居村（現在の旭川市）で行われました。厳しい冬の自然環境の中、多様なスキー競技が実施され、選手たちの技術を競いました。

夏季大会

夏季大会では、以下の競技が行われました。

• - 水泳：鎌倉市の市営プール
• - 漕艇：相模湖町の相模湖
• - ヨット：葉山町の葉山ヨットハーバー
• - 山岳競技：相模原市緑区、愛甲郡清川村、足柄上郡山北町の丹沢山一帯で行われました。

秋季大会

秋季大会では、陸上競技をはじめとした多くのスポーツが実施されました。

• - サッカー
• - テニス
• - ホッケー
• - ボクシング
• - バレーボール
• - 体操
• - バスケットボール
• - レスリング
• - ウェイトリフティング
• - ハンドボール
• - 自転車競技
• - ソフトテニス
• - 卓球
• - 軟式野球
• - 相撲
• - 馬術
• - フェンシング
• - 柔道
• - ソフトボール
• - バドミントン
• - 弓道
• - ライフル射撃
• - 剣道
• - ラグビー
• - クレー射撃
• - 高校野球

総合成績

大会の結果、天皇杯では東京都が1位、神奈川県が2位、大阪府が3位となりました。また、皇后杯も東京都が1位を獲得し、続いて大阪府、北海道が続きました。

このように、第10回国民体育大会は開催方式の変化と新たな記録の授与という重要な一歩を踏み出した大会であり、その後の日本のスポーツ振興にも影響を与えました。

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