第10回関西府県連合共進会

第10回関西府県連合共進会の概要

1910年、愛知県名古屋市で開催された第10回関西府県連合共進会は、1883年から続く博覧会の一環として行われました。このイベントは3月16日から6月13日までの90日間にわたり、造成が始まったばかりの鶴舞公園を会場に、多くの参加府県が集結しました。特に印象的なのは、参加府県が関西だけでなく、北海道や東北を除く28の府県と、当時日本の統治下にあった台湾まで広がっていた点です。来場者数は263万2,748人に達し、これは名古屋市の当時の人口を大きく超えるものでした。

参加府県

この博覧会には、東京府、京都府、大阪府を含む28の府県が参加しました。具体的には、以下の府県が参加しました：

• - 東京府
• - 京都府
• - 大阪府
• - 神奈川県
• - 兵庫県
• - 新潟県
• - 埼玉県
• - 群馬県
• - 茨城県
• - 栃木県
• - 奈良県
• - 三重県
• - 静岡県
• - 山梨県
• - 滋賀県
• - 岐阜県
• - 長野県
• - 福井県
• - 石川県
• - 富山県
• - 鳥取県
• - 島根県
• - 岡山県
• - 広島県
• - 山口県
• - 和歌山県
• - 徳島県
• - 香川県
• - 愛媛県
• - 高知県
• - 愛知県

観覧時間

観覧は午前9時から午後4時まで行われ、訪問者が多くの展示を楽しむことができました。

会場内の施設

会場には多様なパビリオンが設けられ、最新技術や特許、農産物を展示する機械館や特許館、および娯楽要素を取り入れた不思議館、天女館、活動写真館などがありました。また、名古屋城を模した愛知県の売店なども設置され、来場者に楽しさを提供しました。その他にも貴賓館や奏楽堂、噴水塔、鈴菜橋といった建築物が会場内に配置され、胡蝶ヶ池や鯱ヶ池といった美しい水辺もありました。会期が終了すると、多くの仮設建物は撤去されましたが、奏楽堂や貴賓館、噴水塔などは名古屋市に寄付され、鶴舞公園に残されることになりました。

特徴的なパビリオンと入場料

各種パビリオンには特徴があり、以下のようなものがありました：

• - 世界漫遊館：大人12銭、子供6銭。
• - 観戦鉄道：日露戦争の戦闘を体験できるアトラクション。大人10銭、子供5銭。
• - 不思議館：大人10銭、子供6銭。
• - 電気館：大人10銭、子供5銭で砦山に設置。
• - 旅順海戦館：特等50銭、並等30銭の入場料で、キネオラマの展示を行った。
• - 天女館、大鰐館、横田活動写真などもあり、子供たちに人気を集めていました。

このように多彩なパビリオンが設置され、訪れる者たちに夢のような体験を提供しました。

会場へのアクセス

共進会に併せて名古屋電気鉄道公園線が新たに開業し、アクセスが便利になりました。この路線は鶴舞公園前を経由し、訪問者がスムーズに会場にたどり着けるようになっていました。

沿革

第10回関西府県連合共進会の開催に向けて、会場となる鶴舞公園は1909年11月19日に開園し、1910年2月24日には名古屋電気鉄道公園線が開業しました。そして、3月16日に開幕し、6月13日に閉幕を迎えました。この博覧会は、当時の日本の技術や文化を広く紹介する場として、多くの人々に影響を与えました。

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