第10期順位戦

第10期順位戦と第15期名人戦

将棋における第10期順位戦は、1956年度、具体的には1955年6月から1956年3月にかけて行われた棋戦です。この順位戦は、最高峰のタイトル戦である名人戦の挑戦者を決定するための重要な予選システムとして機能しています。この記事では、この第10期順位戦の詳細に加え、それによって挑戦者が決定された第15期名人戦についても記述します。

第15期名人戦七番勝負

第15期名人戦の七番勝負は、当時の名人であった大山康晴と、順位戦を勝ち抜いて挑戦権を獲得した花村元司八段の間で争われました。結果は、大山康晴名人が圧倒的な強さを見せつけ、4勝0敗のストレートで花村八段を下しました。この勝利により、大山康晴は名人位の防衛に成功し、その実力を改めて証明しました。

第10期順位戦の仕組み

順位戦は、棋士の成績に応じてクラス分けされており、原則として毎年1年間をかけて行われます。上位クラスほど在籍する棋士の人数は少なく、名人挑戦権に近づきます。第10期順位戦も、当時の制度に基づき複数のクラスに分かれて実施されました。

この期のクラス構成と、各クラスにおける昇級および降級の規定は以下の通りです。

A級: 最上位クラスであり、ここでの優勝者が名人への挑戦権を得ます。第10期では、名人挑戦者1名が選出され、下位クラスへの降級は3名と定められていました。挑戦者決定に関しては、プレーオフが行われた記録があります。
B級1組: A級の下のクラスです。ここからは上位2名がA級へ昇級できる一方、下位1名がB級2組へ降級となります。
B級2組: B級1組の下のクラスです。上位2名がB級1組へ昇級する権利を得ますが、同時に下位2名がC級1組へ降級となります。
C級1組: B級2組の下のクラスです。ここでは上位2名がB級2組へ昇級できます。しかし、下位3名がC級2組へ降級するという、比較的降級者が多いクラスでした。
* C級2組: 最下位クラスです。ここから上位2名がC級1組へ昇級できます。一方、下位4名が事実上の降級となり、順位戦から一定期間除外される厳しい規定がありました。

このように、順位戦は各クラスで厳しい昇降級争いが繰り広げられ、棋士たちは上位クラスを目指して年間を通じて戦いました。この厳しい戦いを勝ち抜いた先に、最高位である名人への道が開かれていたのです。第10期順位戦は、翌年の第15期名人戦挑戦者を決定するとともに、多くの棋士の明暗を分ける舞台となりました。

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