第10装甲師団 (ドイツ連邦陸軍)

第10装甲師団について

第10装甲師団（ドイツ語：10. Panzerdivision）は、ドイツ連邦陸軍に属し、主に平和維持活動を担当している師団です。本部はバーデン＝ヴュルテンベルク州のジークマリンゲンにあり、その部隊はノルトライン＝ヴェストファーレン州のリップシュタット、ウンナ、デュッセルドルフなどに駐屯しています。この師団は、欧州合同軍の一部分を構成し、陸軍指揮司令部に属しています。また、安定化部隊としての役割を果たすため、南部ドイツの広範囲で展開されています。

師団の任務

第10装甲師団は、安定化部隊として、高強度かつ中長期にわたる多国籍の平和維持任務に対応するために編成されています。このための派遣要員の準備や教育・訓練も行い、地域の安定に寄与する活動を展開しています。

部隊編成

この師団は以下の部隊で構成されています。

• - 師団司令部中隊（ジークマリンゲン）
• - 第10軍楽隊（ウルム）
• - 第23山岳猟兵旅団（バート・ライヘンハル）

- 旅団司令部中隊
- 第231〜233山岳猟兵大隊
- 第230山岳偵察大隊
- 第8山岳工兵大隊
- 第210山岳通信大隊
- 第8山岳後方支援大隊
- 第230ラバ中隊

• - 第12装甲旅団（アンベルク）

- 旅団司令部中隊
- 第104戦車大隊
- 第112・122装甲擲弾兵大隊
- 第8偵察大隊
- 第4装甲工兵大隊
- 第4通信大隊
- 第4後方支援大隊

歴史

冷戦時代

第10装甲師団の編成は1959年に始まり、同年の10月1日にジークマリンゲンで第10装甲擲弾兵師団として正式に設立されました。初期の基幹部隊には、第29装甲擲弾兵旅団や第30装甲擲弾兵旅団などが組織されました。その後、1962年には北大西洋条約機構（NATO）に結合し、1964年には再編成を経て、第10装甲師団と改名されました。この時期、師団は戦車増強型の編制となり、冷戦の緊張の中で重要な位置を占める部隊へと成長しました。

冷戦終結後

1992年、師団は緊急展開部隊に分類され、欧州合同軍に編入されました。1993年には第28旅団と第29旅団が解散し、新たに各部隊が編入されるなどして組織が見直されました。その後も、バルカン半島の紛争に派遣されるなど、現代においても活動を続けています。

現状

現在では、第23山岳猟兵旅団をはじめとする部隊で構成され、約32,000人の兵員を擁しています。さらに、隊員の数は2004年には13,000人にまで縮小されましたが、依然として重要な役割を果たしています。

第10装甲師団は、多国籍の平和維持活動や教育訓練の実施を通じて、地域の安定化に努力し、引き続きその使命を果たしています。

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