第103回全国高等学校野球選手権大会

第103回全国高等学校野球選手権大会概要

2021年8月10日から8月29日までの15日間にわたり、阪神甲子園球場で行われた第103回全国高等学校野球選手権大会。2019年の第101回大会以来、2年ぶりの開催となる。大会のキャッチフレーズは「繋ぐ想い、挑む夏。」であった。

大会の開催背景

前年度の第102回大会は、新型コロナウイルスの影響で中止となったが、今回の大会は感染拡大が続く中で行われることとなった。特に、感染防止策が施されて進行された本大会では、選手やチーム関係者、運営側全員に対してPCR検査が義務付けられ、観客の制限もあった。観客は出場校の応援団のみに限られ、一般観客は入場できなかった。さらに、ブラスバンドは50人までの人数制限が設けられた。

また、大会の運営費用を確保するためにクラウドファンディングが実施され、1億円の募金が集められた。

大会日程と進行

2020年9月に初回の大会運営委員会が開催され、当初は2021年7月23日からの開催が予定されていたが、2021年4月28日に休養日が追加され、最終的に17日間の開催に調整された。地方大会は各地で開催され、8月2日には全49校が出揃った。

8月8日には台風の影響で開幕が1日延び、8月10日に大会がスタートした。開会式では「栄冠は君に輝く」が歌われ、選手たちの熱気が球場を包んだ。

順延の連続

しかし、雨の影響で試合は度々順延された。特に8月14日には、歴史的な雨続きによる試合順延が続き、過去最長の延期記録が更新された。大会としては、その年の降雨による影響がこれまでないほど大きかった。

大会の不運と挑戦

また、宮崎商業高校や東北学院高校からは新型コロナウイルス陽性者が出たことから、双方共に出場辞退を余儀なくされる事態となり、智弁和歌山などが不戦勝となるケースが発生した。大会の過程で、これらの対応が求められ、難しい状況が続いたが、その中で選手たちは一生懸命にプレーを続けた。

決勝戦と優勝

大会最終日には決勝戦が行われ、智弁和歌山高校と智弁学園高校が対決した。兄弟校同士の戦いは、智弁和歌山が9-2で勝利し、21年ぶりの優勝を成し遂げた。また、智弁和歌山は不戦勝を経ての優勝となり、最少試合数での優勝という新たな記録も樹立した。今大会は、例年とは異なる特別な意味を持った大会となった。

新しい記録の誕生

決勝戦が行われたのは過去で最も遅い記録となり、象徴的な意味合いの大きい大会に仕上がった。全体を通して、選手たちの絆が繋がり、挑戦し続ける姿勢が印象に残る大会であった。

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