第105戦車師団 (朝鮮人民軍)

第105戦車師団の概要

第105戦車師団（제105전차사단）は北朝鮮に属する軍事組織で、正式には近衛ソウル柳京洙第105戦車師団として知られています。この師団は北朝鮮内で非常に重要な役割を担っており、特に韓国との関係において際立った歴史を有しています。

歴史的背景

この師団の設立は、冷戦時代のソビエト連邦との密接な関係に根ざしています。初めは、北朝鮮に500両の戦車を供与し、2個戦車師団を創設する計画がありましたが、韓国の地形や対戦車装備に基づく評価により、その計画は大幅に変更されました。結果として、供与される戦車は242両に制限され、最終的に1個旅団の創設へと切り替わったのです。

1948年には、平壌に駐屯していたソ連軍第10機械化師団から戦車兵の教育が行われ、基幹部隊となる第203独立教育戦車連隊が設立されました。この連隊から育成された兵士たちは、さまざまな歩兵師団へと派遣されました。

1949年には、第105戦車旅団が設立され、さらなる部隊が編成されました。装備はT-34戦車やSU-76自走砲で構成され、総員は約8800人に達しました。

戦闘への投入

1950年6月、朝鮮戦争が勃発し、第105戦車師団は重要な役割を果たします。戦争初期には、攻撃を開始し、迅速にソウルへと進撃しました。議政府周辺において傑出した戦果を上げる一方で、韓国軍の反撃に直面し、苦戦を強いられる場面も見受けられました。特に、対戦車兵器による攻撃や自然地形の影響で、進撃が思うように進まない場面もありました。

数日後にはソウルに侵入。安東洙の乗った戦車が最初に市内に突入し、旗を掲げる場面が記録されています。これにより、師団は「ソウル」の名称を得て昇格しました。戦後は、アメリカ軍との交戦が頻繁になり、米軍の強大な火力により、師団は徐々に戦力を削がれることとなりました。

戦後の再編

朝鮮戦争が終結するその後も、第二次世界大戦の教訓を踏まえた再編成が行われ、再度の強化を図ることとなります。1954年以来、駐屯地が韓国側に移管され、「キャンプ・カイザー」が設置されるなどの動きが見られました。その後、2001年には金正日総書記から正式に「近衛ソウル柳京洙第105タンク師団」という称号が授与されたことも特筆すべき点です。

現在の状況

現在、第105戦車師団は金正恩総書記の直接の指導を受けており、北朝鮮国民の間で非常に高い知名度を誇ります。戦車師団は国防と軍事戦略において重要な位置を占めています。総合的に見れば、この師団は北朝鮮の軍事力の象徴ともされ、様々な歴史的出来事に影響を与え過去から現在にかけての動向が注目されています。

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