第116飛行隊 (イスラエル空軍)

イスラエル空軍 第116飛行隊

イスラエル空軍の第116飛行隊（116 Squadron）は、同軍の中でも特に歴史のある飛行隊の一つです。この部隊は、別名「フライング・ウィング・スコードロン」や「ディフェンダー・オブ・ザ・サウス・スコードロン」と呼ばれ、時には「ワイヤーカッターズ・スコードロン」とも称されることがあります。

歴史の始まり

第116飛行隊は1956年2月に設立されました。もともと第101飛行隊が運用していたP-51D マスタングを引き継ぎ、エクロン空軍基地（現在はテルノフ空軍基地）で活動を開始しました。当時の部隊は、教育訓練を行うフライトスクールの教官から構成される予備役部隊で、古い機材を使用していました。

第二次中東戦争の前、P-51Dはエジプト軍の新型機に比べ旧式化しており、主に地上攻撃任務に従事しました。このため、機体塗装も銀色からダークブルーとブラウンの迷彩へと変更されました。
戦争中には、部隊が通信線を切断するための作戦に従事し、これが「ワイヤーカッターズ」の名の由来となりました。この作戦によりいくつかのP-51Dが損傷を受け、一部は失われました。

ミステールIV Aへの移行

戦争後、第105飛行隊が解散し、そのP-51Dは第116飛行隊に引き継がれました。この部隊は、イスラエル空軍で最もP-51Dを長く運用する飛行隊となりましたが、1958年には退役しました。

1961年、再編成を受けて第116飛行隊はミステールIV Aを運用し始め、以降は対地攻撃任務に特化しました。塗装も迷彩に変更され、部隊は新たな任務に取り組むこととなります。

第三次中東戦争への参加

1967年の第三次中東戦争では、エジプトやシリアの地上目標に対する奇襲攻撃において、部隊は成果を挙げました。戦争後、他の飛行隊からの移管が行われ、部隊は引き続きミステールIV Aを運用する唯一の飛行隊となりました。ただし、戦闘中にはいくつかの機体が失われました。

1973年の第四次中東戦争では、部隊はA-4スカイホークを運用し、戦闘に従事したとされています。以降もエンジンの改修や新型機の導入が続けられました。1983年には異種航空機の戦闘訓練中に事故が発生しましたが、パイロットは無事でした。

F-16A/Bの導入と統合

1994年頃にはF-16A/Bに機材が更新され、その後、2013年には第140飛行隊が合流しましたが、2015年には第116飛行隊は活動を停止しました。しかし、近い将来にはF-35を運用する新たな飛行隊として再編成されるという期待が寄せられています。

このように、第116飛行隊は様々な機種を運用し、歴史的に重要な役割を果たしてきました。今後の活動に注目が集まっています。

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