第118飛行隊 (イスラエル空軍)

イスラエル空軍第118飛行隊について

イスラエル空軍の第118飛行隊は、CH-53 "Yasur"大型輸送ヘリコプターを運用する部隊であり、その運用歴はイスラエルにおいて特に重要な位置を占めています。この飛行隊はイスラエル航空宇宙軍において初めてCH-53を扱う部隊であり、ファースト・アルバトロス・スコードロンという名前でも知られています。「Yasur」はヘブライ語でアホウドリを意味し、同様に第118飛行隊は「ノクターナル・バーズ・オブ・プレイ」としても呼ばれることがあります。

歴史の幕開け

この飛行隊の歴史は1969年8月に遡ります。イスラエル空軍は、アメリカのシコルスキー社から開発された大型輸送ヘリコプター、すなわちS-65（CH-53の型番）を導入することを決定しました。この新しい機体を運用するために、第118飛行隊がテルノフ空軍基地で編成されました。導入された機体は「S-65C-3」と呼ばれ、アメリカ空軍向けの「HH-53C」モデルと同等ですが、いくつかの改良が施されています。当初、S-65C-3はエジプトが保有する地上配備型の防空レーダーを鹵獲するため、実戦に投じられました。この作戦はルースター53作戦として知られ、エジプト領内での成功を収め、重さ4トンのP-12レーダーを持ち帰るという成果を上げました。

中東戦争とその後

1973年の第四次中東戦争では、第118飛行隊は12機のS-65を運用し、重砲の移動や負傷者の輸送で活躍しました。この戦闘中、護衛として出発した一機はエジプト空軍機に遭遇しましたが、巧妙な回避機動で生還しました。戦争後、アメリカからの支援を受け、第114飛行隊もCH-53を運用するようになりました。

1991年には、アメリカ海兵隊から10機の中古CH-53Aが配備され、これにより部隊の能力はさらに強化されました。これらの機体は初めはアメリカ海兵隊の迷彩が施されていましたが、その後イスラエル空軍の他の機体と同じ仕様に改修されました。さらに、1990年代には「Yasur 2000」という近代化改修プログラムが開始され、1993年からは新しい機体の引き渡しが始まりました。

課題と事故

しかし、この飛行隊は多くの悲劇にも見舞われています。1997年の2月4日には、2機のS-65が空中で衝突し、搭乗者73人全員が死亡するという大惨事が発生しました。この事故はイスラエル空軍の歴史の中でも最も悲惨なものであり、以後の軍事行動に大きな影響を及ぼしました。特に、2000年には、レバノンからの撤退を促進する大きな要因になったとされています。

イスラエル空軍はCH-53の後継機を検討する中で、V-22オスプレイの導入も企図されましたが、なかなか進まなかったため、さらに寿命を延ばす「Yasur 2025」計画が2007年から進められています。とはいえ、2010年7月26日には、ルーマニアでの訓練中にS-65C-3が墜落し、搭乗者全員が死亡するという事故が再び発生しました。

この事故は天候不良に起因する人的ミスが原因とされていますが、ルーマニア兵士の遺族への補償措置が取られるなど、国際的な協調も見せる一幕もありました。

結論

第118飛行隊は、イスラエル空軍における重要な部隊であり、数々の歴史的な任務や課題に取り組んできました。彼らの献身的な活動と歴史は、今後の航空業界においても忘れ去られることはないでしょう。

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