第12期順位戦

第12期順位戦と第17期名人戦

順位戦は、日本将棋界における最も伝統あるタイトル戦の一つ、名人戦の挑戦者を決定するための重要なリーグ戦です。棋士たちは成績に応じて階級分けされたリーグで戦い、上位クラスへの昇級や名人への挑戦権を目指します。

第12期順位戦は、1957年5月から1958年3月にかけての年度に実施されました。この期の順位戦を勝ち抜いた棋士が、当時の名人位保持者であった升田幸三棋士に挑戦することになります。この予選リーグの結果を受けて行われたのが、第17期名人戦七番勝負です。

順位戦の構造

第12期順位戦は、棋士のランクに応じて以下の5つのクラスに分かれて行われました。

A級: 最上位クラス。ここでの成績最優秀者1名が名人挑戦権を獲得します。下位2名がB級1組へ降級となります。この期も挑戦者決定のためにプレーオフが行われました。
B級1組: A級の次位クラス。ここで上位2名に入るとA級へ昇級できます。一方、下位2名がB級2組へ降級となります。
B級2組: B級1組の下のクラス。上位2名がB級1組へ昇級できますが、下位3名がC級1組へ降級となります。
C級1組: 下から2番目のクラス。上位2名がB級2組へ昇級できます。下位2名がC級2組へ降級となります。
* C級2組: 最下位クラス。ここで上位2名に入るとC級1組へ昇級できます。下位3名が降級となります（ただし、この期の降級先は明示されていませんが、リーグシステム全体の構造として理解されます）。

各クラスで一年間を通してリーグ戦が行われ、その成績に基づいて翌年度のクラスが決定されることで、棋士の実力に応じた厳格な昇降級システムが機能しています。

第17期名人戦七番勝負

第12期順位戦を勝ち抜いた挑戦者は、当時の名人であった升田幸三棋士と名人位をかけて戦いました。第17期名人戦七番勝負は、升田幸三名人に、当時の大山康晴王将が挑む形となりました。これは当時の将棋界におけるトップ棋士同士の頂上決戦であり、大きな注目を集めました。

激しい戦いの末、升田名人が大山王将を4勝2敗で退け、見事に名人位を防衛しました。この結果、升田棋士は引き続き将棋界の最高位に君臨することとなりました。

第12期順位戦とその結果として行われた第17期名人戦は、当時の将棋界の勢力図を示す重要な出来事であり、多くの名勝負を生み出しました。順位戦システムは、現在に至るまで名人への道として機能し続けています。

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