第125飛行隊 (イスラエル空軍)

イスラエル空軍 第125飛行隊の概要

イスラエル空軍 第125飛行隊（125 Squadron）は、主に小型ヘリコプターを運用する部隊として知られています。別名「ライト・ヘリコプター・スコードロン」としても親しまれ、この飛行隊はその歴史の中で数々の戦闘や輸送任務を遂行してきました。

歴史的背景

1957年、イスラエル空軍はフランスの資産家から初めてのヘリコプター、SE.3130「アルエットII」を寄贈され、1961年には民間航空会社からさらに3機を受け取りました。これにより、第124飛行隊「ローリングソード・スコードロン」が1958年に独立し、テルノフ空軍基地で運用が始まりました。

1965年には、初代飛行隊長のウリ・ヤロムが新たにスデ・ドブ基地の司令官に就任。その基地は重要な要人輸送に便利な位置にあり、結果的に小型ヘリコプター小隊が形成されました。

第三次中東戦争とその後

1967年の第三次中東戦争では、第124飛行隊が実戦に投入され、アルエットIIはイスラエル軍の士官や戦闘指揮官の移動に貢献しました。戦争後、イスラエル空軍は小型ヘリコプターの重要性を再確認し、第100飛行隊の軽ヘリコプター小隊が第125飛行隊として独立しました。この時期にはアルエットIIの追加導入も行われ、運用機の数は次第に増加しました。

1970年には新たに4機が導入され、同飛行隊の装備に充実感が出てきましたが、アルエットIIの年式が古く、夜間飛行能力にも乏しいことから、新しい軽ヘリコプターの検討が始まりました。最終的に、ベル社の「ベル206 ジェットレンジャー」が1971年から配備されることとなり、「サイファン」の愛称で親しまれるようになりました。

第四次中東戦争と多様な使用

1973年の第四次中東戦争では、アルエットIIとベル206の両機種が活躍しました。アルエットIIは依然として士官や要人の輸送に用いられ、一方でベル206は偵察や負傷者搬送、射撃観測など多彩な役割を担いました。この戦争の結果、アメリカからのベル206の追加供給が行われ、飛行学校でも使われるようになりました。

1975年にはアルエットIIが一時的に運用から外されますが、1977年にエゼル・ヴァイツマン国防大臣の要望により、2機が要人輸送の任務に復帰しました。

ガリラヤの平和作戦および退役

1982年のガリラヤの平和作戦でも、第125飛行隊はベル206を使用し地上部隊支援を行い、さまざまな任務を果たしました。しかし1983年にはアルエットIIが退役し、一部がイスラエル空軍博物館に移され、その他は国外に売却されました。

1984年にはベル206の派生機種「ベル206L ロングレンジャー」が運用に加わり、「サイファニート」と名付けられました。第125飛行隊は1991年の湾岸戦争にも関与し、情報収集活動を行いました。この時、イラク軍による化学兵器攻撃の懸念から、パイロットはガスマスクを装着して任務にあたるという場面もありました。

最終的な運用の終了

第125飛行隊は2003年に活動を停止し、運用していたベル206は飛行学校に移管されました。これにより、イスラエル空軍の歴史の一ページが閉じられましたが、同飛行隊が担った役割は決して忘れられることはありません。

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