第13期十段戦 (将棋)

第13期十段戦 概要

第13期十段戦は、1974年度（1973年10月26日から1974年12月13日）にかけて開催された、将棋界の権威ある棋戦の一つです。当時の最高峰タイトルの一つである十段位を巡り、多くの棋士たちが熱戦を繰り広げました。

この棋戦は、厳しい予選システムを経て挑戦者を決定する方式が採用されていました。まず、一次予選が行われ、これを勝ち抜いた棋士が二次予選へと進みます。さらに二次予選を突破すると三次予選への出場権を得ることができ、この三次予選を勝ち上がった強豪たちが、挑戦者決定リーグ戦への参加資格を得ました。

挑戦者決定リーグ戦では、前年度の成績に基づきシードされた棋士と、予選を勝ち抜いた棋士たちが総当たりなどで対戦し、十段位への挑戦者を一人決定します。また、リーグ戦下位の棋士は次期のリーグから陥落するという規定も設けられていました。この挑戦者決定リーグ戦を制した棋士が、当時の十段位保持者との間で五番勝負または七番勝負を行い、タイトル獲得を目指します。

第13期においては、挑戦者決定リーグ戦を勝ち抜いたのが中原誠名人でした。当時、中原誠は既に将棋界の最高位である名人位に就いており、その勢いに乗って十段位への挑戦権を獲得しました。対する十段位保持者は、永世十段の資格も持つ大山康晴でした。大山もまた、長きにわたり将棋界を牽引してきた偉大な棋士であり、この七番勝負は当代最高の名人対十段という、まさに頂上決戦として注目を集めました。

十段戦七番勝負：中原名人対大山十段

第13期十段戦のクライマックスとなる七番勝負は、中原誠名人が大山康晴十段に挑戦する形で行われました。1974年を通して繰り広げられた本棋戦の最終盤として、両雄は十段位をかけて激突しました。

七番勝負は、挑戦者である中原誠名人の圧倒的な強さを示す結果となりました。全五局にわたる戦いの中で、中原名人はその精緻な将棋で主導権を握り、4局で勝利を収めました。対する大山康晴十段も一矢を報いる一局はありましたが、中原名人の勢いを止めるには至らず、七番勝負は4勝1敗というスコアで中原名人の勝利に終わりました。

この結果、中原誠名人が大山康晴十段から十段位のタイトルを奪取しました。これは中原にとって、第11期以来となる2期ぶりの十段位獲得であり、通算では4回目の十段位獲得となりました。名人位と十段位という二つの主要タイトルを保持することになった中原誠は、この勝利によって、当時の将棋界における自身の地位をさらに不動のものとしました。

閉幕

第13期十段戦の七番勝負最終局は1974年12月13日に行われ、中原誠名人の勝利をもって本棋戦は幕を閉じました。この大会を通じて、予選からリーグ戦、そして七番勝負に至るまで、多くのドラマが生まれました。

本棋戦に関するより詳細な記録については、関連する脚注や、日本将棋連盟の公式サイト等に掲載されている将棋年鑑や過去の棋戦結果を参照することができます。

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