第13期順位戦

第13期順位戦と第18期名人戦

将棋界において、最も権威あるタイトルとされる名人の座を巡る戦いは、順位戦という長期間にわたるリーグ戦から始まります。1959年度（具体的には1958年6月から1959年3月にかけて行われた）の第13期順位戦は、まさにその年の名人挑戦者を決定する予選棋戦として開催されました。本稿では、この第13期順位戦の概要と、それを受けて行われた第18期名人戦について詳述します。

順位戦とは

順位戦は、棋士の力量に応じてクラス分けがされており、成績によって昇級または降級が決まる制度です。これは名人挑戦者を決めるだけでなく、棋士全体の序列を形成する上で非常に重要な役割を果たします。棋士は毎年この順位戦に参加し、年間を通して行われるリーグ戦を戦います。

第13期順位戦の概要

第13期順位戦は、最高峰のA級からC級2組までの五つのクラスで構成されていました。各クラスにおける昇級および降級の人数は以下の通り定められていました。

A級: 最上位クラスです。年間リーグ戦を戦い、最も成績の良かった棋士1名が名人挑戦者となります。一方、成績下位者2名がB級1組へ降級します。A級での戦いは、まさに将棋界の頂点を目指す者たちの激しい競争の場となります。

B級1組: A級に次ぐクラスです。ここでの成績上位者2名がA級へ昇級する権利を得ます。また、下位者2名がB級2組へ降級となります。A級昇級を目指す実力者たちが集うクラスです。

B級2組: B級1組の下のクラスです。上位者2名がB級1組へ昇級できます。降級は1名がC級1組へとなります。ここでも上位クラスへの道を巡る戦いが繰り広げられます。

C級1組: B級2組の下のクラスです。成績上位者2名がB級2組への昇級を果たします。下位者2名がC級2組へ降級となります。

* C級2組: 順位戦の最も下のクラスです。ここでの成績上位者2名がC級1組へ昇級できます。一方で、成績不振の棋士は3名が順位戦から陥落（降級）となります。順位戦に参加し続けるためには、最低でもこのクラスで降級点を回避する必要があります。

このように、各クラスで定められた人数が昇級・降級することで、棋士の序列は常に変動し、実力が反映される仕組みとなっています。第13期順位戦においても、それぞれのクラスで次期への明暗を分ける重要な戦いが展開されました。

第18期名人戦

第13期順位戦A級を勝ち抜いた棋士は、当時の名人である升田幸三名人に挑戦する権利を得ました。そして迎えた第18期名人戦七番勝負は、升田幸三名人に、当時の二冠保持者であった大山康晴二冠が挑戦するという注目の顔合わせとなりました。名人戦七番勝負は、先に四勝を挙げた方がタイトルを獲得するという形式で行われます。

このシリーズは、大山康晴二冠が圧倒的な強さを見せ、4勝1敗で升田名人を下す結果となりました。この勝利により、大山康晴は名人位を奪取し、新たな名人となりました。これは、当時の将棋界における大きな出来事であり、歴史に名を刻む結果となりました。

まとめ

第13期順位戦は、年間を通じて繰り広げられる各クラスでの激しい昇降級争いを通じて、第18期名人戦への挑戦者を決定しました。そして、その挑戦者である大山康晴二冠が、当時の名人升田幸三を破って名人位を獲得したことは、この期の将棋界における最大の出来事であり、歴史に名を刻む結果となりました。順位戦というシステムが、いかに名人戦へ繋がる重要な道であるかを改めて示す一期であったと言えるでしょう。

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