第15回天皇杯全日本サッカー選手権大会

1935年全日本蹴球選手権大会の概要

1935年6月1日と2日の2日間に渡って、全日本蹴球選手権大会が開催されました。この大会は天皇杯全日本サッカー選手権大会の第15回に相当するものであり、日本国内におけるサッカーの発展に寄与した重要なイベントです。大会の名称にもある通り、全国から集まったチームが優勝を目指して競い合いました。

大会の背景

この年の大会から、明治神宮大会とは別に「全日本総合蹴球選手権大会」が新たに設立されることになりました。これにより、日本一を決定する大会が二つ存在することとなり、全日本総合選手権の優勝チームが全日本選手権のチャンピオンとみなされることとなります。すなわち、先の大会はFAカップとして従来の明治神宮大会の優勝チームに授与され、全日本総合選手権の勝者には日本蹴球協会（JFA）杯が贈呈される形となりました。

この大会の設立目的には、翌年のベルリンオリンピックに向けて日本のサッカー界の強化策の一環として、試合数を増加させる狙いがありました。こうした背景の下で、多くのチームが参加することとなります。

出場チームと試合

大会には、各地方予選を勝ち抜いた6チームが参加しました。出場チームは以下の通りです：

• - 北海道帝国大学（北海道、8年ぶり2回目の出場）
• - 仙台サッカークラブ（東北、2年ぶり3回目の出場）
• - 東京文理科大学（関東、初出場）
• - 名古屋高商（東海、初出場）
• - 関大クラブ（関西、初出場）
• - 全京城蹴球団（朝鮮、初出場）

特に注目されたのは、朝鮮から初めて大会に参加した全京城蹴球団でした。チームには、ベルリンオリンピックの日本代表に選出された金容植をはじめ、当時の朝鮮を代表する実力者たちが揃い、準決勝から出場して圧倒的な強さを示しました。彼らは2試合で合計12ゴールを挙げ、見事に優勝を果たしました。全京城はその後、10月に行われた明治神宮大会にも優勝しています。

決勝戦と結果

全日本選手権では、全京城蹴球団が優勝を収める形で大会は閉幕しました。決勝戦では、全京城の強力な攻撃力と戦略が光り、多くの名勝負が繰り広げられました。特にその試合には、観客の注目を集めるダイナミックなプレーが数多く見られました。

参照資料

大会に関する詳細は、各種資料や文献を通じても確認できます。第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会の公式パンフレットや、日本サッカーミュージアムが所蔵する資料などが存在します。

このように1935年の全日本蹴球選手権大会は、日本サッカーにおける重要な歴史的瞬間を形成し、国内のサッカーシーンに新たな刺激を与えることとなりました。

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