第15回気候変動枠組条約締約国会議

第15回気候変動枠組条約締約国会議（COP15）

2009年12月7日から18日までデンマークのコペンハーゲンで開催されたCOP15は、温室効果ガスの排出規制に関する国際的な枠組みを策定することを目的に行われた国際会議です。本会議には約190カ国から1万人以上の参加者が集まり、その中には98カ国からの首脳も出席しました。

会議の背景と目的

COP15は、前回の京都議定書に続く形で、気温上昇を2度以内に抑制し、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を50%削減、先進国の排出量を80%削減することを目指しました。先進国は、途上国における排出削減目標を国際的に報告・検証させる枠組み作りを迫りましたが、中国やインドをはじめとする途上国はこれに対し強く反発しました。

しかし、会議に先立ってブラジル、中国、インドが独自の目標を発表したことは、途上国が削減活動に参加する意向を示す重要な一歩でした。これにより、重要な国々が何らかの形で合意に至る道筋が生まれました。

COP15の焦点と課題

会議の核心は、2013年以降の温室効果ガス削減目標の設定にありました。先進国は、「2050年までに温室効果ガスの80%削減」という合意を持ち帰る一方で、途上国との意見の違いや新たな協定の必要性から、合意形成は難航しました。

また、会議では途上国への資金提供の議論も行われ、2012年までに年間100億ドル規模の支援が求められました。これは、気候変動への適応策を講じるための重要な基盤となるものです。特に、気候変動による影響が大きい後発途上国や小さな島嶼国に対する支援が求められました。

主要国の参加と目標

参加国は各国の目標に賛同する形で、国別の温室効果ガス削減努力を発表しました。日本は1990年と比べて25%の削減目標を掲げる一方、中国はGDPあたりの二酸化炭素排出量を、2020年までに2005年比で40%〜45%削減するとしました。アメリカは、2020年までに2005年比で17%、2050年には83%の削減を約束しました。ただし、途上国が求める40%削減目標には到達していません。

さらに、COP15からは特筆すべき合意が生まれました。最終日に多くの国が参加する中、コペンハーゲン合意が策定されましたが、これは国連気候変動枠組条約の正式な合意としてではなく、参加国の政治的合意として位置づけられました。

結果と影響

会議の結果、COP15は新たな法的拘束力を持つ合意には至りませんでしたが、気候変動に対する国際的な関心の高まりを示すものとなりました。参加国は自国の責任を認識し、蓄積された知見を基に将来的な協定に向けた努力を続ける必要があります。

この国際的な会議は、気候変動問題への対応としての決意を新たにし、参加国が気候変動の影響を軽減するための新たなステップを踏み出す契機となりました。

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