第15機動国境支隊

第15機動国境支隊「スティールボーダー」について

第15機動国境支隊「スティールボーダー」（ウクライナ語: 15-й мобільний прикордонний загін）は、ウクライナ国家国境庁に所属する精鋭部隊です。2022年からのロシアによるウクライナ侵攻の経験を教訓に、特に国境警備と防衛に特化した部隊として編成されました。

この部隊の大きな特徴は、実戦経験豊富な隊員たちが多数所属している点です。特に、ロシアとの国境付近における激戦地、リマン方面やバフムト方面、そしてアゾフスタルの防衛戦に参加した隊員たちが中心となっており、これらの戦いで得た貴重な経験が、部隊の戦闘能力を大きく向上させています。

部隊の装備と構成

「スティールボーダー」は、対戦車兵器や砲兵装備を始めとする重装備を備えているだけでなく、航空偵察部隊やMANPADS（携帯式防空ミサイルシステム）の運用能力も有しています。これにより、敵の装甲車両や航空機に対して効果的に対処することが可能です。これらの装備は、ウクライナの国境防衛を強化し、侵攻してくる敵に対して迅速かつ効果的な対応を可能にするために不可欠です。

歴史と活動

この部隊は2023年2月に攻撃的警備部隊の一つとして創設されました。部隊の組織構造や管理体制、研修システムは、ロシアのウクライナ侵攻の現状を考慮し、実戦で役立つように構築されています。主な任務は、国家防衛とウクライナの国境警備を強化することであり、そのために対戦車部隊、砲兵部隊、航空偵察部隊、MANPADS部隊が編成されています。

2024年2月24日には、部隊に戦闘旗が授与されました。さらに、2024年3月21日には、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領から「勇気と勇敢さに対する栄誉賞」が授与されました。これは、部隊がその勇敢な行動と貢献によって、国家から高く評価された証と言えるでしょう。

指揮官

現在の部隊指揮官は、ヴァレリー・ボリソヴィチ大佐（ウクライナ英雄）です。彼のリーダーシップのもと、部隊は日々の訓練と任務に励んでいます。

関連部隊

第15機動国境支隊「スティールボーダー」と関連の深い部隊として、第10機動国境支隊が挙げられます。

まとめ

第15機動国境支隊「スティールボーダー」は、ウクライナの国家安全保障において重要な役割を担う部隊です。ロシアによる侵攻という厳しい現実の中で、その経験と装備を活かし、ウクライナの国境を守り抜くために日々奮闘しています。実戦経験豊富な隊員たちと最新の装備、そして高い士気をもって、ウクライナの平和と安全に貢献しています。

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