第156回天皇賞

第156回天皇賞の結果とその背景

2017年10月29日、東京競馬場で開催された第156回天皇賞は、数多くの記録が生まれた歴史的なレースとなりました。優勝したのは、キタサンブラックです。彼はこの勝利により、GI競走6勝を達成し、さらに天皇賞春秋連覇を達成したのは2007年のメイショウサムソン以来10年ぶりとなります。また、キタサンブラックは2000年のテイエムオペラオーに続く、史上2頭目となる天皇賞3勝を記録しました。

レースの施行状況

天候と馬場状態

この年の天皇賞は、台風が接近していたこともあり、東京競馬場は悪天候に見舞われました。雨が続き、馬場状態は不良となり、走行時には水しぶきが立つほどでした。GI競走が不良馬場で行われるのは前週の第78回菊花賞に続いて2週連続であり、そこでの勝ち馬の走破タイムは3分18秒9にのぼりました。

出走馬の動向

このレースには、全18頭中8頭がGI勝ち馬という豪華な顔ぶれが揃いました。特に注目されたのは1番人気のキタサンブラックで、彼は連続して数々の重賞を制覇しており、年内での引退が決まっていることもあって、勝利が期待されていました。対抗となる2番人気のサトノクラウンは、2017年の宝塚記念でキタサンブラックを破った実績があり、期待を寄せられていましたが、その宝塚記念では敗北しているため、オッズは高めでした。その他にも重賞実績のある馬たちが揃い、競馬ファンの期待が高まりました。

レースの展開

スタート直後、出遅れたキタサンブラックは後方に位置することになりましたが、先頭に立つのはロードヴァンドールでした。その後、サクラアンプルールやミッキーロケットなどが追いかけ、中団にはサトノクラウンやソウルスターリングが続く展開が続きました。前半1000mは264秒2で通過し、不良馬場ながらも平均ペースでした。

キタサンブラックは3コーナー付近で徐々に進出し、最終コーナーでは4、5番手まで上昇。直線に入ると内から出て先頭に立ち、外側の良馬場を求めて鞍上の武豊が進路を取りました。その直後、サトノクラウンも追い上げてきましたが、キタサンブラックは内外に進路を変える際に接触がありました。2頭の接戦となり、サトノクラウンが懸命に追い込むも、最後はキタサンブラックがクビ差で勝利しました。

レース結果

1着：キタサンブラック
2着：サトノクラウン
3着：レインボーライン
4着：リアルスティール
5着：マカヒキ

このレースの勝ちタイムは2分8秒3であり、2000mに短縮されて以来、最も遅い記録となりました。なお、キタサンブラックは同年の第155回天皇賞をレコードタイムで制し、その年において最速と最遅のタイムをマークしました。

テレビ・ラジオ中継

本レースは日本放送協会（NHK）、ラジオNIKKEI、フジテレビなどで広く中継され、実況を担当した藤井康生、倉田大誠、解説を務めた岡部幸雄などがファンにレースの魅力を伝えました。

このようにして第156回天皇賞は、キタサンブラックの歴史的な勝利により、競馬ファンにとって記憶に残る一日となったのです。

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