第17回全国大学ラグビーフットボール選手権大会

1980年の年末から1981年の年始にかけて、日本の大学ラグビー界最高峰の戦いである第17回全国大学ラグビーフットボール選手権大会が開催されました。この記念すべき大会は、関西の雄・同志社大学が、長年の努力を結実させ、初の栄冠を手にした歴史的な大会として記憶されています。

大会概要

この大会は、1980年12月21日に幕を開け、翌1981年1月3日の決勝戦まで、約2週間にわたって繰り広げられました。熱戦の舞台となったのは、東京の国立競技場（決勝）、秩父宮ラグビー場、大阪の花園ラグビー場、そして福岡の平和台競技場といった、全国各地を代表するスタジアムです。

出場校は、全国から選び抜かれた精鋭8チーム。当時の大学ラグビー界をリードする各リーグの上位校が集結しました。関東大学対抗戦からは覇者の慶應義塾大学（2年ぶり11回目出場）と同2位の明治大学（11年連続11回目出場）、関東大学リーグ戦からは優勝した法政大学（9年ぶり9回目出場）と同2位の専修大学（3年ぶり3回目出場）が名を連ねました。関西大学リーグからは、優勝の同志社大学（7年連続16回目出場）、2位の天理大学（12年連続14回目出場）、そして第3代表の中京大学（6年連続10回目出場）が出場。さらに、九州代表として福岡工業大学（7年連続13回目出場）が参加し、文字通り全国の強豪が顔を揃えました。

大会形式

大会はノックアウト方式のトーナメントで争われ、敗れれば次はない一発勝負の厳しさの中で行われました。全8チームによる勝ち抜き戦であり、準決勝で敗れたチームによる3位決定戦は設けられていません。

試合経過

大会は1回戦から白熱した試合が展開されました。1回戦は1980年12月21日に、全国4箇所で開催されました。

花園ラグビー場: 関東対抗戦2位の明治大学が関西第3代表の中京大学と対戦し、実力差を見せつけて勝利を収めました。
平和台競技場: 関東リーグ戦覇者の法政大学が九州代表の福岡工業大学を退け、準決勝へ駒を進めました。
* 秩父宮ラグビー場: ここでは2試合が行われました。まず関西リーグ2位の天理大学が関東リーグ戦2位の専修大学と対戦し、接戦を制して準決勝進出を決めました。続く試合では、関東対抗戦覇者の慶應義塾大学と関西リーグ優勝の同志社大学が激突。この注目の一戦は、同志社大学が強豪・慶應義塾大学を破る金星（あるいは実力証明）となり、関西勢の意地を示しました。

年が明けた1981年1月1日、準決勝が秩父宮ラグビー場で行われました。第1試合では、1回戦で慶應義塾大学を破る勢いに乗る同志社大学が、同じく勝ち上がってきた天理大学との関西勢対決に臨みました。同志社大学がこの内部対決を制し、決勝進出を果たしました。第2試合は、明治大学と法政大学という関東勢同士の顔合わせとなりました。伝統校である明治大学がライバル法政大学を下し、決勝へと駒を進めました。

そして、第17回大会の頂点を決める決勝戦は、1981年1月3日、ラグビーの聖地とも称される国立競技場で行われました。この年最後の試合、そして新年最初の大学ラグビー日本一決定戦は、同志社大学と明治大学の対決となりました。両校ともに強力なフォワードとバックスを備え、激しい攻防が予想されました。

決勝戦は、下馬評では経験豊富な明治大学がやや有利と見られていましたが、この日の同志社大学は創部以来初の全国制覇への強い意欲を燃やしていました。選手たちは一体となり、持ち前の展開ラグビーと粘り強いディフェンスを発揮。激しい戦いの末、同志社大学が見事に明治大学を破り、1981年の大学日本一の栄冠に輝きました。これは、同志社大学ラグビー部にとって、全国大学選手権での初の優勝という歴史的な快挙達成の瞬間でした。

まとめ

第17回全国大学ラグビーフットボール選手権大会は、同志社大学が初の全国制覇という金字塔を打ち立てた記念すべき大会です。この優勝は、長らく関東勢の後塵を拝することが多かった関西勢にとっても大きな刺激となり、その後の大学ラグビー界全体のレベルアップに貢献したと言えるでしょう。多くの熱戦が繰り広げられ、観る者に感動を与えたこの大会は、日本の大学ラグビー史に深く刻まれています。

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