第18回宝塚記念

1977年第18回宝塚記念の概要

1977年6月5日に阪神競馬場で開催された第18回宝塚記念は、出走頭数がわずか6頭という少数精鋭のレースだったが、参加馬はすべて八大競走優勝馬という素晴らしいメンバーが揃いました。レースは晴天の下で行われ、芝2200メートルの距離で競われました。

出走馬の状況

この年の宝塚記念は、特に注目すべき馬が揃っており、その中でも1番人気に支持されたのはテンポイントでした。彼は「関西の星」とも称され、4歳時には皐月賞の2着や菊花賞の2着といった成績を収めましたが、グレードレースでの勝利はありませんでした。しかし、古馬となったこの年、彼は天皇賞（春）を含む3連勝を果たし、競馬界での評価が急上昇しました。テンポイントの単勝オッズは2.1倍と、その実力が広く認知されていました。

対して、2番人気のトウショウボーイは、4歳時に皐月賞と有馬記念を制した実力馬でした。ただし、有馬記念以降には骨瘤の影響で長期休養を余儀なくされており、このレースが年初の競走であったため、不安要素もありました。

さらに、3番人気には菊花賞でテンポイントとトウショウボーイを破ったグリーングラスが名を連ね、こちらも注目の存在でした。しかし、彼もまた、その後のレースでは思うような結果を出せておらず、パフォーマンス面での不安を抱えていました。他にも昨秋の天皇賞馬アイフル、前年のダービー馬クライムカイザー、八大競走未勝利のホクトボーイが出走していました。これらの馬もまた、それぞれの過去の成績から注目される存在でした。

レース展開

レースは積極的に先頭を狙う馬がいなかったため、トウショウボーイが自然と先頭に立ってレースを引っ張る形となりました。最初のゴール板を通過した時点では、トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス、アイフル、ホクトボーイ、クライムカイザーの順でしたが、互いにマークし合うレース展開となり、ペースは非常にスローなものとなりました。1000メートルの通過タイムは63秒台という遅いものでした。

レースが動き出したのは、ちょうど折り返しの位置に差し掛かった頃でした。トウショウボーイが3コーナー手前でスパートをかけ、他の馬たちがこれに応じて追走しましたが、テンポイントとグリーングラスだけがこのスピードについて行けました。アイフル、ホクトボーイ、クライムカイザーは遅れをとる結果となりました。

そのままトウショウボーイは後半戦でも加速を続け、後半1000メートルは57秒6という当時のレコードタイムを上回るタイムでゴールし、見事に1着でフィニッシュしました。一方、人気を一身に背負ったテンポイントは3/4馬身差で2着という結果に終わり、他の馬も続いてゴールしました。

レース後の影響

このレースの上がり3ハロンタイムは34秒5とされ、これが当時「驚異的な」タイムと評価されましたが、アイフルはそのレース後に脚を痛め引退を余儀なくされました。また、クライムカイザーも競走生活に終止符を打つこととなりました。

達成された記録

トウショウボーイにとって、このレースは特別な意味を持つもので、スピードシンボリ以来、7年ぶりとなる有馬記念から宝塚記念までの秋春連覇を達成しました。これにより、彼の名は競馬史に刻まれることとなったのです。

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