第2回国民体育大会

第2回国民体育大会について

1947年に開催された第2回国民体育大会は、石川県金沢市を中心に行われ、戦後の日本におけるスポーツ振興の重要なステップとなりました。この大会の誘致には、金沢市出身のオリンピック選手、大島鎌吉氏が中心となり、石川県の協力のもと成功を収めました。これにより、全国的な大会の地方開催と各都道府県による持ち回り制が実現し、日本のスポーツ発展の礎となりました。

この国体が特に注目されたのは、地方都市におけるスポーツ振興の波及効果が期待されていたからです。大会の準備が進む中、夏季大会の水泳競技については、当初の計画では関西地区での開催を検討していました。しかし、1946年末に松任町（現在の白山市）のプールの補修を行うことで、石川県で水泳競技を実施できるとの判断が下され、実現へと繋がりました。

夏の大会は、松任プールにて8月22日から24日までの間、水泳競技が行われ、その後、秋の大会は10月30日から11月3日までの間、21の競技種目が県内各地で開催されました。この年からは、国体のシンボルマークや大会歌「若い力」が制定され、さらに記念切手も初めて発行されるなど、大会の重要性が一層高まりました。

1947年10月30日には、昭和天皇が北陸地方を巡幸中に現地を訪れ、臨席されました。公式の場での天皇の臨席は、国体への期待感を高め、国民のスポーツへの関心を一段と盛り上げる要因となりました。

第2回国体以降、開催のサイクルは会計年度（毎年4月スタート）から暦年制（1月スタート）に変更され、それに伴い第3回冬季大会は開催されず、1948年からは冬季、大会、夏季、秋季といった開催サイクルが確立され、体制が整いました。

この大会では、国民体育大会のシンボルとも言える「若い力」に合わせて創作された集団演技が行われ、以来70年以上にわたり地元の金沢市民によって受け継がれています。これにより、地域のスポーツ文化が育まれ、多くの市民がスポーツを通じて交流し、健やかな生活を送る助けとなっています。

競技会場

大会では、さまざまな競技が開催され、多くの会場が設けられました。

夏季大会

• - 水泳: 松任町 松任プール
• - 漕艇: 滋賀県 瀬田川

秋季大会

• - ヨット: 七尾市 七尾湾
• - 陸上: 金沢市 金澤市運動場
• - サッカー: 金沢市 第四高等学校
• - テニス: 金沢市 兼六園コート
• - ホッケー: 金沢市 第四高等学校
• - ボクシング: 金沢市 金石濤々園
• - バレーボール: 金沢市 金沢女専コート 他
• - 体操: 金沢市 金沢第一中
• - バスケットボール: 金沢市 第一高女体育館 他
• - レスリング: 金沢市 第四高等学校
• - ウエイトリフティング: 金沢市 第四高等学校
• - ハンドボール: 金沢市 高師グラウンド
• - 自転車: 金沢市 金澤市運動場他
• - ソフトテニス: 七尾市 市庭球場 他
• - 卓球: 大聖寺町 錦城小
• - 軟式野球: 小松市 芦城公園 他
• - 相撲: 七尾市 愛宕山相撲場
• - 馬術: 金沢市 金澤市運動場 他
• - ラグビーフットボール: 金沢市 金澤市運動場他
• - 山岳: 浅川村 医王山
• - 中等学校野球: 金沢市 兼六園野球場
• - 実業団野球: 金沢市 兼六園野球場
• - タッチフットボール: 金沢市 高師グラウンド

この第2回国民体育大会は、戦後の日本において地域のスポーツ活動が活性化する契機となり、全国的な大会の在り方に新たな方向性を示す重要な出来事となったと言えるでしょう。

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