第2室戸台風

第2室戸台風について

第2室戸台風（昭和36年台風第18号、国際名：ナンシー）は、1961年9月16日に室戸岬に上陸しました。この台風は大阪湾岸に深刻な被害をもたらし、特に高潮による浸水が問題となりました。台風は1934年に発生した室戸台風に似た進路をたどったため、こうした名称が付けられました。

この台風は、1951年の統計開始以来、日本に上陸した台風の中で最も低い中心気圧（925 hPa）を記録し、2年前に襲来した伊勢湾[[台風]]と同等の勢力で本土を直撃しました。しかし、伊勢湾[[台風]]の教訓を活かした災害対策が講じられていたため、全体的な被害は相対的に小さく抑えられました。

台風の経過

第2室戸台風は、9月6日にマーシャル諸島付近で「弱い熱帯低気圧」として発生しました。9月8日には台風に昇格し、中心気圧は990 hPaを記録しました。台風は西進しながら発達し、9月10日には中心気圧935 hPa、続く12日には888 hPaまで下がり、最大風速は185 kt（約94 m/s）に達しました。この風速は過去に測定された最大風速の中で最も高いものでした。

台風は進路を北寄りに変え、9月14日から15日にかけて沖縄の近海で転向、最終的には9月16日朝に室戸岬に上陸しました。上陸の際には兵庫県尼崎市や西宮市の間に再上陸し、日本海へ抜けました。

この台風の総移動距離は8,113 kmであり、当時としては最長のものでした。上陸後の進路は、1934年の室戸台風と非常に似ていたことから、気象庁が第2室戸台風と命名しました。

被害状況

台風がもたらした被害は印象的でした。死者は194名、行方不明者は8名、負傷者は4,972名に上りました。また、全壊した住家は15,238棟、半壊が46,663棟という統計が残っています。浸水被害も甚大で、床上浸水が123,103棟、床下浸水が261,017棟に達しました。

高潮による浸水も発生し、大阪湾では記録的なレベルに達しました。特に大阪では、高潮がOP（大阪湾工事基準面）の上で4.12mに達し、過去の最高記録に次ぐものでした。このため、西淀川や港区などの地域が浸水し、浸水面積は全市の4分の1に及ぶ31haに渡りました。

台風の被害は特に高潮と暴風によるものが多かったものの、雨による被害は比較的少ないという特徴がありました。また、その後の風害や倒壊も発生しましたが、前回の伊勢湾[[台風]]の教訓を生かした災害対策により、犠牲者は少なく抑えられました。

まとめ

第2室戸台風は、同様の規模・進路の台風と比較しても、災害対策の効果が評価される結果となりました。海上を通過した後も台風の目がしっかりしていたため、台風が通過した地域では一時的に快晴となる現象も観測されました。発生から日本に影響を及ぼすまでの一連の流れや影響は、今後の台風対策の重要な参考となっていくでしょう。

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