第20回気候変動枠組条約締約国会議

第20回気候変動枠組条約締約国会議（COP20）について

第20回気候変動枠組条約締約国会議（COP20）は、2014年12月1日から14日にかけて、ペルーのリマで開催されました。この会議は、地球温暖化対策における国際的な協力体制を強化するための重要な節目となりました。通称COP20として知られ、2015年にパリで開催されたCOP21に向けて、各国が具体的な行動目標を策定するための基盤を築くことを目的としていました。

会議に至るまでの背景

COP20が開催されるまでには、いくつかの重要な出来事がありました。特に注目すべきは、2014年11月12日にアメリカのオバマ大統領と中国の習近平国家主席が北京で行った共同宣言です。この宣言では、両国が温室効果ガスの削減目標で合意し、国際的な気候変動対策において大きな進展を示しました。この合意は、COP20での議論を活性化させ、より具体的な成果を目指す上で重要な役割を果たしました。

温室効果ガス削減目標

COP20では、各国が温室効果ガスの排出削減目標をどのように設定し、達成していくかについて議論されました。特に、各国が提出する「国別目標案」の内容と提出期限が焦点となりました。これらの目標案は、今後の気候変動対策における具体的な行動計画の基礎となるため、各国は慎重に議論を重ねました。

緑の気候基金（GCF）

開発途上国の気候変動対策を支援するための緑の気候基金（GCF）についても議論が行われ、拠出金の目標額が100億ドルと設定されました。この基金は、開発途上国が気候変動の影響に対処し、持続可能な開発を進めるための重要な財源となります。各国は、この目標額を達成するために、具体的な拠出計画について話し合いました。

交渉の概要と成果

COP20での最も重要な成果の一つは、「気候行動のためのリマ声明」（Lima Call for Climate Action）の採択でした。この声明は、各国がCOP21に向けて提出する国別目標案の内容や形式に関するガイドラインを定めています。具体的には、温室効果ガスの排出削減目標、適応策、資金調達、技術移転などに関する情報を含めること、また、国別目標案の提出期限を2015年3月末とすることなどが定められました。また、条約事務局は、提出された国別目標案をウェブサイトで公開し、それらの内容を総合的に判断するための統合報告書を作成することとなりました。これにより、透明性の高い国際的な気候変動対策が進められることとなりました。

まとめ

COP20は、国際的な気候変動対策において重要な一歩となりました。各国が協力し、具体的な目標を設定し、行動に移すための基盤が築かれました。この会議で得られた成果は、その後のCOP21におけるパリ協定の採択に大きく貢献することとなりました。COP20は、単なる会議ではなく、持続可能な未来への転換点となる重要な出来事であったと言えるでしょう。

参考資料
COP20概要と評価　日本政府代表団（2014年12月14日）
COP20の概要とCOP21に向けての課題　外務省国際協力局気候変動課長（2014年2月3日）
* ２０１５年合意に向けて交渉の促進を！ 　地球環境市民会議（2014年12月14日）

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