第20期順位戦

第20期順位戦および第25期名人戦

本項目では、将棋界において重要な棋戦である順位戦のうち、1966年度（具体的には1965年6月から1966年3月にかけて進行）に実施された第20期順位戦について記述します。順位戦は、将棋界最高峰のタイトルの一つである名人位への挑戦権を争うための予選を兼ねており、同時に全棋士を実力に応じてクラス分けする役割も果たしています。

また、第20期順位戦の結果を受けて行われた第25期名人戦についても併せて解説します。

第20期順位戦の概要

順位戦はA級を最高位として、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組とクラスが分かれています。各クラスでは年度を通じてリーグ戦を行い、その成績によって次年度の昇級・降級が決定されます。

第20期順位戦における各クラスの昇級および降級（または降級点）の定員は以下の通りでした。

A級:
名人挑戦者：1名
次期B級1組への降級者：2名

B級1組:
次期A級への昇級者：2名
次期B級2組への降級者：3名

B級2組:
次期B級1組への昇級者：2名
降級点が付与される棋士：4名

C級1組:
次期B級2組への昇級者：2名
降級点が付与される棋士：0名（降級はなし）

C級2組:
次期C級1組への昇級者：3名
* 降級点が付与される棋士：3名

順位戦のリーグ戦を通じて、A級の優勝者が名人挑戦者として選ばれます。第20期順位戦のA級を勝ち抜いた棋士が、当時の名人との間で七番勝負を戦うことになります。

第25期名人戦七番勝負

第20期順位戦A級を勝ち抜いた挑戦者は、第25期名人戦の挑戦手合七番勝負に臨みました。このシリーズは、当時の名人であった大山康晴と、挑戦者として勝ち上がってきた升田幸三九段の間で行われました。

将棋史においても屈指のライバル関係として知られる両者による名人戦は、大きな注目を集めました。激しい攻防が繰り広げられた結果、シリーズは大山康晴名人が4勝2敗で升田幸三九段を下し、見事名人位を防衛しました。

この結果、大山名人はさらに名人在位を継続することとなり、その後の将棋界における地位を不動のものとしました。一方、升田九段は名人奪取には至りませんでしたが、両者の対決は永く語り継がれる名勝負として将棋ファンに記憶されています。

第20期順位戦は、次期名人挑戦者を決定するとともに、多くの棋士の昇降級を分けるドラマを生み出し、そしてそれに続く第25期名人戦は、将棋史に残る大棋士同士のタイトル戦として歴史に刻まれました。これらの棋戦は、当時の将棋界の勢力図を示す重要な出来事であったと言えるでしょう。

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