第21回全国大学ラグビーフットボール選手権大会

第21回全国大学ラグビーフットボール選手権大会

第21回全国大学ラグビーフットボール選手権大会は、1984年12月22日から1985年1月6日にかけて開催された日本の大学ラグビー最高峰を決める大会です。この記念すべき大会において、同志社大学が前人未踏の記録を打ち立てました。

史上初の3連覇達成

この第21回大会は、同志社大学がその歴史に深く名を刻んだ大会として記憶されています。同志社大学は、この優勝により3年連続での全国制覇を果たし、大学ラグビーフットボール選手権史上初めての3連覇という偉業を達成しました。これは、当時の大学ラグビー界における同志社大学の圧倒的な強さを示すものです。

記憶に残る決勝戦：同志社大学 vs 慶應義塾大学

1985年1月6日、国立競技場で行われた決勝戦は、同志社大学と慶應義塾大学の対戦となりました。事前の下馬評では、当時の大学ラグビー界を席巻していた同志社大学が圧倒的に有利と見られていました。しかし、慶應義塾大学は予想を覆す健闘を見せ、多くのラグビーファンが期待したような一方的な展開にはなりませんでした。慶應義塾大学は持ち前の粘り強いディフェンスで同志社大学の攻撃を封じ込め、試合はロースコアの緊迫した展開となりました。

試合終盤、同志社大学が10対6と僅かにリードしている状況で、慶應義塾大学に決定的なチャンスが訪れます。懸命な展開攻撃からインゴール中央左へ走り込み、グラウンディングに成功。当時のルールではトライは4点であったため、これが認められればスコアは10対10の同点となり、試合は行方の分からない状況となるはずでした。しかし、レフリーはこのプレーに対し、スローフォワードの反則があったと判断し、トライは認められませんでした。この慶應義塾大学による幻のトライは、今もなお「幻の同点トライ」として語り継がれており、この決勝戦のハイライトの一つとなっています。

結局、試合はこのまま10対6で終了。同志社大学が慶應義塾大学の猛追を振り切り、史上初の3連覇を達成しました。

大会日程と会場

大会は以下の日程で開催されました。

1回戦: 1984年12月22日、12月23日
準決勝: 1985年1月2日
決勝: 1985年1月6日

主な開催競技場は以下の通りです。

国立競技場（準決勝・決勝）
花園ラグビー場（1回戦）
瑞穂公園陸上競技場（1回戦）
平和台競技場（1回戦）

出場大学

この大会には、全国から選ばれた以下の8校が出場しました。

慶應義塾大学（関東大学対抗戦1位・2年ぶり14回目）
早稲田大学（関東大学対抗戦2位・2年ぶり18回目）
帝京大学（関東大学対抗戦4位・2年連続2回目）
専修大学（関東大学リーグ戦2位・3年ぶり5回目）
同志社大学（関西大学リーグ1位・11年連続20回目）
天理大学（関西大学リーグ2位・3年ぶり16回目）
中京大学（関西第3代表・2年連続12回目）
福岡工業大学（九州代表・3年連続16回目）

試合結果

3位決定戦は行われませんでした。各試合の結果は以下の通りです。

1回戦

専修大学 28 - 12 中京大学
同志社大学 66 - 0 福岡工業大学
慶應義塾大学 28 - 14 天理大学
早稲田大学 30 - 6 帝京大学

準決勝

同志社大学 46 - 0 専修大学
慶應義塾大学 34 - 12 早稲田大学

決勝

同志社大学 10 - 6 慶應義塾大学

第21回大会は、同志社大学の歴史的な3連覇達成と、決勝戦での劇的な「幻の同点トライ」など、多くの記憶に残る場面が生まれた大会として、大学ラグビーの歴史に深く刻まれています。

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