第22期王将戦

第22期王将戦 概要

第22期王将戦は、日本のプロ将棋界における主要なタイトル戦の一つである王将戦の、1972年度に実施された棋戦を指します。具体的には、1972年4月3日から1973年2月20日までの期間にかけて開催されました。この大会は、当時の将棋界の趨勢を反映する重要な対局を含んでいました。

大会方式

王将戦は、王将タイトル保持者への挑戦者を決定するための複雑な予選システムと、現王将と挑戦者による七番勝負で構成されます。第22期王将戦における挑戦者決定プロセスは、以下の段階を経て行われました。

予選・本戦の詳細な構造

一次予選: 棋士たちが複数の組に分かれてトーナメント方式で対局します。この第22期においては、8つの組が設けられ、それぞれの組を勝ち抜いた棋士が次のステージへと進みました。
二次予選: 一次予選を勝ち上がった棋士に加え、一部のシード棋士が参加します。第22期では4つの組で構成され、ここでも厳しい戦いが繰り広げられました。二次予選を突破した棋士のみが、王将への挑戦権を争う最上位のリーグ戦へと進出できます。
* 挑戦者決定リーグ: 二次予選を通過した棋士たちと、前期のリーグ戦で残留を決めた強豪棋士たちによって構成されます。通常、総当たり戦によって行われ、その成績によって順位が決定されます。リーグ戦で最も成績が良かった1名が、現王将への挑戦者となる栄誉を得ます。一方で、リーグ戦で下位に沈んだ棋士は、次期のリーグ戦への参加資格を失い（陥落者として4名）、再び予選から勝ち上がらなければなりません。

この第22期王将戦において、厳しい挑戦者決定リーグを制し、当時の王将である大山康晴への挑戦権を獲得したのは、当時すでに名人のタイトルを保持していた中原誠でした。

王将戦七番勝負

挑戦者として選ばれた中原誠名人は、第22期王将戦のクライマックスである七番勝負で、当時の王将位保持者であった大山康晴王将と相まみえました。この対戦は、当時の将棋界において最も権威ある二つのタイトル、すなわち名人と王将を保持する者同士の直接対決であり、非常に大きな注目を集めました。

注目の対戦カード:

大山康晴王将 対 中原誠名人

七番勝負は、1972年度の年度末にあたる時期から始まり、翌1973年の年明けにかけて行われました。結果は、挑戦者である中原誠名人が圧倒的な力を見せつける展開となりました。中原名人は、その精緻な技術と深い読みで大山王将を寄せ付けず、開幕から連勝を重ねていきました。

最終的に、七番勝負は中原誠名人の4勝0敗という、大山王将にとっては厳しいストレート負けという結果に終わりました。中原名人は、一局も落とすことなく王将位の奪取に成功しました。

結果とその意義

第22期王将戦七番勝負における中原誠名人の完勝は、将棋界において歴史的な意義を持つ出来事でした。

この勝利によって、中原誠名人は大山康晴王将から王将のタイトルを奪取しました。これは、中原誠にとって自身の棋士人生において初めての王将位獲得であり、名人位に加えて王将位を手にしたことで、当時の将棋界における自身の地位を揺るぎないものとしました（注：input情報から、名人位と王将位の同時保持となったことが推測されます）。初の王将位獲得は、中原誠が将棋界の新たな時代を象徴する存在となる上での重要な節目となりました。

一方、敗者となった大山康晴王将は、この七番勝負での敗退により、長らく保持してきた王将位を失冠しました。将棋界の第一人者として数々の記録を打ち立ててきた大山にとって、このストレート負けとタイトル失冠は、大きな転換点となりうる出来事でした。

このように、第22期王将戦は、名人対王将という最高レベルの対戦が、挑戦者中原誠の圧倒的な強さによって決着し、中原誠が自身初の王将位を獲得したシリーズとして、将棋史において特筆される大会となりました。

関連情報

第22期王将戦に関するより詳細な記録や対局内容は、本記事作成に際して参照された脚注や、公式の外部リンクを通じて確認することができます。例えば、日本将棋連盟のウェブサイトにある王将戦のページや、当時の詳細な棋譜や背景が記載されている将棋年鑑などの資料が挙げられます。

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