第26回東京国際映画祭

第26回東京国際映画祭：新たな試みと充実のラインナップ

2013年10月17日から25日までの9日間、東京で第26回東京国際映画祭が開催されました。六本木ヒルズが主要会場となり、17回目から続く六本木開催は10回連続、同会場のみでの開催としては3回目となります。TOHOシネマズ六本木ヒルズとシネマート六本木を上映会場として、コンペティション、特別招待作品、アジアの未来、日本映画スプラッシュ、ワールド・フォーカスの5部門を中心に、多彩なプログラムが展開されました。

新たな部門と変化

この回から、映画祭のロゴが刷新され、「HEART MOVIE」をテーマにした赤いハートマークに変更されました。さらに、部門構成にも大きな変化がありました。これまでの「アジアの風」部門を発展させた「アジアの未来」部門、「日本映画・ある視点」部門をリニューアルした「日本映画スプラッシュ」部門、「アジアの風」部門と「WORLD CINEMA」部門を統合した「ワールド・フォーカス」部門が新設されました。これに伴い、「natural TIFF」部門は廃止されています。

「アジアの未来」部門は、長編2本目までの監督作品を対象としたコンペティション形式で、8作品（うち1作品は日本映画）が上映されました。また、「ワールド・フォーカス」部門では、「台湾電影ルネッサンス2013」や「ディスカバー亜洲電影」といった特集上映も行われ、アジア映画全体では20本が上映されました。これは、従来の「アジアの風」部門と比較すると規模が縮小されたことになります。

学生料金とチケット販売

第24回から続く学生料金500円（当日券）は今回も継続され、オンラインでの購入も可能となりました。一般の当日料金は1000円、1300円、2000円のいずれかとなります。また、第25回から導入された電子チケットサービスも継続され、スマートフォンやパソコンからチケットを購入し、劇場入口でQRコードを読み取らせることで入場できるシステムが用いられました。さらに、この年から公式LINEアカウントも開設されました。

その他の変更点

映画祭トップの交代に伴い、様々なリニューアルが行われました。初日と最終日が平日にあたり、土日祝日の開催が1回のみとなったのは史上初です。また、クロージング作品の上映が最終日ではなく前日に行われたのも初めてのことです。チケット価格も一部改定され、コンペティション部門の一般前売券が1000円から1300円に、特別招待作品が1800円から2000円に値上げされました。前売り券は1次、2次販売の2回に分けて販売され、当日券は前売り券が完売していない場合のみ販売されました。オフィシャルデジタルパートナーにはYahoo! JAPANとGyaOが選ばれ、公式ウェブサイトがYahoo! JAPAN内に開設されました。

上映作品とイベント

コンペティション部門には世界中から1463本の応募があり、15作品が選出されました。オープニング作品は『キャプテン・フィリップス』、クロージング作品は『清須会議』です。その他、特別招待作品、アジアの未来、日本映画スプラッシュ、ワールド・フォーカスの各部門、そして円谷プロ50周年企画上映、日本映画監督協会新人賞の上映とシンポジウム、バリアフリー上映に関するシンポジウム、8Kスーパーハイビジョン スペシャルプレゼンテーションなど、多様な企画が実施されました。さらに、多数の共催・提携企画も開催されました。

受賞結果

コンペティション部門では、『ウィ・アー・ザ・ベスト!』が東京サクラグランプリを受賞しました。その他、審査員特別賞、最優秀監督賞、最優秀女優賞、最優秀男優賞、最優秀芸術貢献賞、観客賞などが発表されました。「アジアの未来」部門では『今日から明日へ』が作品賞を受賞し、「日本映画スプラッシュ」部門では『FORMA』が作品賞に輝きました。

その他

2020年東京オリンピック開催決定を受け、『東京オリンピック』（1965年）のデジタル修復版がワールドプレミア上映されました。一方、『BEYOND: Two Souls』の上映は都合により中止となりました。第26回東京国際映画祭は、新たな試みと充実したプログラムで、多くの映画ファンを魅了しました。

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