第26回気候変動枠組条約締約国会議

COP26（第26回気候変動枠組条約締約国会議）とは

COP26は、正式名称を「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」といい、地球温暖化対策を話し合う国際会議です。当初は2020年11月にイギリス・グラスゴーで開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、1年延期され2021年11月1日から12日まで開催されました。

この会議には、国連気候変動枠組条約の締約国会議に加え、京都議定書の締約国会議、パリ協定の締約国会議も組み込まれ、気候変動対策に関する包括的な議論が行われました。COP26は、パリ協定の目標達成に向けた重要なステップとして位置づけられ、各国がより具体的な行動目標を掲げることが期待されました。

主要な合意内容

COP26では、以下のような主要な合意がなされました。

森林破壊: 世界の森林面積の85%を占める100か国以上が、2030年までに森林破壊を終わらせることに合意しました。この合意には、カナダ、ロシア、アメリカ、コンゴ民主共和国などが含まれており、森林保全に向けた大きな一歩となりました。
パリ協定（Article 6）： パリ協定の具体的な実施ルールについて議論が行われました。特に、市場メカニズムに関する合意が焦点となりました。
金融: 気候変動対策における資金援助の重要性が改めて確認されました。パリ協定では、2020年までに先進国が途上国に対して年間1000億ドルの資金拠出を行うことが合意されていましたが、目標達成には至っていません。COP26では、先進国がより一層の努力をすることが求められましたが、具体的な解決策は見出せませんでした。OECD参加国が2023年までに合意する可能性も低いと見られています。
石炭: 南アフリカは、石炭への依存を解消するために85億ドルの資金援助を受けることになりました。また、チリ、ポーランド、ウクライナ、韓国、インドネシア、ベトナムなどの国々は、2030年代までに石炭利用を段階的に廃止することを宣言しました。しかし、アメリカ、中国、インドといった主要な石炭利用国は、この合意には参加しませんでした。
メタン: メタン排出量を削減するために、アメリカをはじめとする多くの国々が合意しました。80か国以上が2030年までにメタン排出量を30%削減することに署名しました。

その他の論点と課題

COP26では、気候変動への適応策や地球温暖化対策が重要な議題となりました。特に、途上国における気候変動の影響への適応を支援するための資金提供が重要視されました。しかし、各国間の利害が対立し、合意に至らない点も多く見られました。

石炭火力発電の段階的廃止や、化石燃料への補助金削減など、具体的な対策をめぐっては各国の立場が大きく異なり、今後の課題として残りました。また、パリ協定の目標達成に向けて、各国がより具体的な行動計画を策定し、実行に移していくことが求められています。

結論

COP26は、気候変動対策における重要な進展が見られた一方で、多くの課題も残る結果となりました。特に、先進国と途上国の間で、資金援助や責任の分担に関する認識のずれが浮き彫りになりました。今後の気候変動対策をより効果的に進めるためには、各国がより一層の協力体制を構築し、具体的な行動に移していくことが不可欠です。

参考

HOME - UN Climate Change Conference (COP26) at the SEC – Glasgow 2021（英語）

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