第262海兵中型ティルトローター飛行隊

第262海兵中型ティルトローター飛行隊（VMM-262）：フライング・タイガースの軌跡

アメリカ海兵隊第262海兵中型ティルトローター飛行隊（VMM-262）は、沖縄県の普天間基地に駐屯する精鋭部隊です。愛称である「フライング・タイガース」の名が示すように、その歴史は長く、数々の戦場を駆け抜けてきました。MV-22Bオスプレイを運用する同飛行隊は、第1海兵航空団第36海兵航空群隷下にあり、世界各地への迅速な展開能力を誇ります。

任務：世界規模の迅速対応

VMM-262の主要任務は、海兵空地任務部隊（MAGTF）への支援です。戦闘部隊や補給物資、装備品の迅速な輸送を担い、統合・諸職種連合作戦において重要な役割を果たします。世界情勢の変化に即応し、いかなる事態にも対応できる高い即応性を維持しています。

歴史：朝鮮戦争から現代まで

VMM-262の歴史は、1951年9月、ノースカロライナ州チェリーポイント海兵隊航空基地での創設に遡ります。当初は第262海兵ヘリコプター輸送飛行隊（HMR-262）として、朝鮮戦争中の東海岸で艦隊海兵部隊を支援しました。その後、幾度かの改称と基地移転を経て、ベトナム戦争に参戦。チューライ基地、クワンチ戦闘基地など各地で活躍し、数々の作戦を支援しました。

ベトナム戦争後も、ハワイを拠点に艦隊海兵部隊を支援するなど、西太平洋地域での活動を展開。1990年には沖縄に展開し、湾岸戦争にも参加しました。近年では、インドネシアの津波被災地への救援活動、イラク戦争への参加など、人道支援と戦闘任務の両面で重要な役割を担ってきました。2013年には、CH-46Eシー・ナイトからMV-22Bオスプレイへの機種転換を完了し、現在に至ります。2015年のネパール地震の際にも、迅速な救援活動を実施しています。

ネパール地震救援活動

2015年4月に発生したネパール地震では、VMM-262は迅速に被災地へ展開。地震で甚大な被害を受けた地域への救援物資の輸送や、被災者の救助活動に大きく貢献しました。この活動は、VMM-262の迅速な対応力と人道支援への高い意識を示す出来事となりました。

イラク戦争への参加

2007年、VMM-262はベトナム戦争以来となる戦闘展開としてイラク戦争に参加しました。アル・タカダム空軍基地を拠点に、アンバール県で地上部隊を支援。この作戦で、部隊は多大なる貢献を果たすとともに、悲しい犠牲も出しました。

マスコット：マナ・タイガー

VMM-262のマスコットは「マナ・タイガー」です。トラとマナティー（海牛）を組み合わせたユニークなデザインで、飛行隊のモットーである「Every Man a Tiger（だれでもトラであれ）」を体現しています。

まとめ

VMM-262は、長きに渡りアメリカ海兵隊の航空戦力の中核として、数々の作戦に参加し、世界平和に貢献してきました。その歴史と伝統は、未来へと受け継がれ、今後も世界各地でその存在感を示し続けることでしょう。 その迅速な対応力と高い任務遂行能力は、世界中の人々にとって頼もしい存在であり続けています。 フライング・タイガースの活躍は、これからも注目に値します。

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