第28期順位戦

第28期順位戦および第33期名人戦

本稿では、1974年度（具体的には1973年6月から1974年3月にかけて実施された）の第28期順位戦と、それを受けて行われた第33期名人戦について解説します。

順位戦は、将棋界における最高峰のタイトルである名人位への挑戦者を決定するための予選トーナメント・リーグ戦システムであり、プロ棋士の格付けとしても機能しています。各棋士は成績に応じてクラスが分かれており、一年間の戦いを通じて上位クラスを目指し、最終的にA級の成績最上位者一名だけが名人への挑戦権を獲得します。

この第28期順位戦の結果を受けて行われたのが、第33期名人戦七番勝負です。当時の名人位保持者は中原誠で、挑戦者は大山康晴十段でした。このシリーズは互いに一歩も譲らない激戦となり、最終的に中原名人が4勝3敗というスコアで大山十段を下し、名人位の防衛に成功しました。

第28期順位戦 クラス構成と昇降級規定

第28期順位戦は、その厳格な昇降級システムによって棋士たちの競争を促しました。クラスはA級を筆頭に、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の五つに分かれていました。それぞれのクラスにおいて、年度の成績に応じて次期のクラスが決まります。

最高クラスであるA級では、年間リーグ戦の成績最上位者1名が名人挑戦者となります。一方、A級の下位3名は次期順位戦ではB級1組へ降級となります。

B級1組では、上位2名がA級への昇級を果たします。しかし、下位3名はB級2組へ降級するという厳しい規定がありました。

B級2組では、上位2名がB級1組への昇級となります。一方、下位4名には降級点がつき、これが累積すると最終的にクラス降級につながります。

C級1組も同様に、上位2名がB級2組への昇級機会を得ます。そして、下位4名に降級点が与えられます。

最も下のクラスであるC級2組も、上位2名がC級1組へ昇級できます。ここでも、下位4名には降級点がつき、これが後のクラス編成に影響を与えます。

このように、第28期順位戦は各クラスで明確な昇級・降級（点）の枠が定められており、棋士たちは一年を通して厳しい戦いを繰り広げました。この順位戦を勝ち抜いた挑戦者と、当時名人であった中原誠との間で、歴史に残る第33期名人戦が戦われたのです。

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