第3回ゴールデングローブ賞

第3回ゴールデングローブ賞

1945年の優れた映画作品を対象とした「第3回ゴールデングローブ賞」は、1946年にその結果が明らかになりました。具体的には、1946年3月6日に受賞者が発表され、同月30日には米国カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッドニッカーボッカー・クラブで盛大な授賞式が執り行われました。この賞は、第二次世界大戦終結後間もない時期に、映画芸術の功績を称える重要な機会となりました。

この年のゴールデングローブ賞において、特に注目を集めたのは、ビリー・ワイルダー監督の『失われた週末』でした。この作品は、最も栄誉ある作品賞に輝いただけでなく、監督のワイルダー氏が監督賞を、主演のレイ・ミランド氏が男優賞を受賞しました。『失われた週末』による主要三部門の独占は、当時の映画界におけるこの作品の評価の高さを明確に示す結果となりました。アルコール依存症という重いテーマを深く掘り下げたその内容と、俳優たちの迫真の演技、ワイルダー氏の卓越した演出が高く評価されたのです。

第3回ゴールデングローブ賞における各部門の主な受賞結果は以下の通りです。

作品賞: 『失われた週末』 (The Lost Weekend)
この年の最高作品として選ばれました。
監督賞: ビリー・ワイルダー - 『失われた週末』 (The Lost Weekend)
傑作『失われた週末』を監督したワイルダー氏が受賞しました。
男優賞: レイ・ミランド - 『失われた週末』 (The Lost Weekend)
『失われた週末』で主人公を演じたミランド氏が受賞しました。
女優賞: イングリッド・バーグマン - 『聖メリーの鐘』 (The Bells of St. Mary's)
レオ・マッケリー監督作品での演技が評価されました。
助演男優賞: J・キャロル・ネイシュ - 『ベニイの勲章』 (A Medal for Benny)
パラマウント映画製作の作品での演技が認められました。
助演女優賞: アンジェラ・ランズベリー - 『ドリアン・グレイの肖像』 (The Picture of Dorian Gray)
MGM製作の作品での演技が高く評価されました。

さらに、国際間の理解を促進する映画を顕彰するBest Film for Promoting International Understanding部門が設けられ、『The House I Live In』が受賞しました。これは、映画が持つ社会的な影響力や、異なる文化や人々への理解を深める役割を初期から重視していたゴールデングローブ賞の特色を示すものです。

第3回ゴールデングローブ賞は、ハリウッド映画の黄金期とも言える時代において、優れた映画作品や才能ある人々を正当に評価しました。特に『失われた週末』の主要部門制覇は歴史に名を刻み、その後の映画賞レースにも影響を与える結果となりました。この回の授賞式は、映画界の才能が集い、芸術性と社会性を兼ね備えた作品が評価される場として、ゴールデングローブ賞が権威を確立していく上での重要な一歩となった出来事と言えるでしょう。初期のゴールデングローブ賞の歴史を知る上で、第3回の結果は非常に興味深いものです。

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