第3回札幌国際短編映画祭

第3回札幌国際短編映画祭（SAPPOROショートフェスト2008）

2008年の秋、札幌の地で国際的な短編映画の祭典が盛大に開催されました。第3回を迎えたこの映画祭は、SAPPOROショートフェスト2008と称され、同年9月10日から15日までの6日間（うち13日は徹夜上映あり）、札幌東宝プラザを主会場として多くの映画ファンや関係者を迎えました。

この年は、世界の76の国と地域から、実に2336本に及ぶ短編映画の応募があり、その中から厳正な審査を経て、29ヶ国113作品がコンペティション部門にノミネートされました。世界中の才能が集結した、質の高いプログラムが展開されたのです。

映画祭の顔ともいえるメインビジュアルは、札幌出身のイラストレーターである坂本奈緒氏が手がけ、イベントに彩りを添えました。

作品の審査は、国際色豊かな著名人が務めました。イギリスから映画評論家・フェスティバルキュレーターのトニー・レインズ氏、アメリカからは映画監督・脚本家・プロデューサーのメアリー・ルー・ベリー氏、ドイツからは映画祭プログラムディレクターのウルリヒ・ヴェーゲンアスト氏が名を連ね、日本からは女優の中嶋朋子氏、そしてサックスプレーヤー・ミュージシャン・アーティストの田野城寿男氏が参加し、多角的な視点から作品が評価されました。

授賞式では、栄えある各賞が発表されました。以下に主な受賞結果を記します。（作品名、上映時間、ジャンル、制作年、主な制作国、監督の順）

SAPPOROショートフェスト2008 AWARD

グランプリ
フィルムメーカー部門 グランプリ：ケン・ワードロップ（Ken Wardrop）/イギリス
作品部門 グランプリ：『オン・ザ・ライン』（On the line）30:00/Drama/2007/ドイツ 監督：レト・カフィ（Reto Caffi）

審査員賞
最優秀国内作品賞：『機械人間、11号。』（cyborg.11）22:30/Animation/2008/日本 監督：加藤行宏（Yukihiro Kato)
最優秀道内作品賞：『注意書き』（Instruction）07:48/Comedy/2007/日本・札幌 監督：児玉潤二郎（Junjiro Kodama）
最優秀監督賞：『息子』（SON）17:30/Dorama/2007/イギリス 監督：ダニエル・マロイ（Daniel Mulloy）
最優秀作曲賞：『かわいそうなヨリック』（Poor Yorick）18:00/Animation/2007/ロシア 監督：セルゲイ・ゴルディフ（Sergey Gordeev）
最優秀脚本賞：『今日は日曜日！』（It is Sunday!）30:00/Comedy/2007/フランス 監督：サミール・ゲスミ（Samir Guesmi）
最優秀撮影賞：『ナイトビジョン』（Night Vision）24:24/Contemporary/2007/カナダ 監督：フィリップ・バーカー（Phillip Barker）
最優秀編集賞：『親切の先に』（The Road）05:00/Comedy/2007/アメリカ 監督：オゥエン・トーマス（Owen Thomas）
最優秀俳優賞：『レスリング』（Wrestling）20:30/Dorama/2007/アイスランド 男優：ハルドール・ギルファソン（HalldoR Gylfason）、ビヨルン・イング・ヒルマンソン（Bjorn Ingi Hilmarsson）
最優秀女優賞：『ロード』（Road）09:30/Thriller/2007/オランダ 女優：ニエンケ・ロメール（Nienke Romer）
最優秀子役賞：『今日は日曜日!』（It is Sunday!）30:00/Comedy/2007/フランス 子役：イリエ・ブクレイン（Illies Boukouirene）
最優秀学生監督賞：『ネズミ狩り』（Catching Rats）13:53/Dorama/2007/エクアドル 監督：ベロ・サモ-ガルシア（Vero Shamo-Garcia）
最優秀チルドレン・ショート賞：『小さなおさかなさん』（The Tiny fish）09:35/Animation/2007/ロシア 監督：セルゲイ・リアボフ（Sergei Ryabov）
最優秀ミニショート(10分以内)賞：『親切の先に』（The Road）05:00/Comedy/2007/アメリカ 監督：オゥエン・トーマス（Owen Thomas）
最優秀ベリーショート(3分以内)賞：『イルミ・アクション』（illuminACTION）01:00/Contemporary/2007/イタリア 監督：コラード・ボンガロー（Corrado Bungaro）
最優秀ノンダイアログ賞：『電球男』（Lúmen）03:52/Animation/2007/ブラジル 監督：ウィリアン・サルバドール・サントス（Wilian Salvador Santos）
最優秀アニメーション賞：『自然の物差し』（In scale）07:00/Animation/2007/ロシア 監督：ジマリア・モシコーベ（Marina Moshkoval）
最優秀ドキュメンタリー賞：『フェニックス・ダンス』（Phoenix Dance）16:00/Documentary/2006/アメリカ 監督：カリーナ・エッパーリン（Karina Epperlein）
最優秀コンテンポラリー/エクスペリメンタル・ショート賞：『アンダー・コンストラクション』（Under construction）09:55/Documentary/2007/フランス 監督：ジェンチェン･リー（Zhenchen Liu）
最優秀美術賞：『D-I-M』（D-I-M）29:35/SF Funtasy/2007/ドイツ 監督：アクセル・リック（Axel Ricke）

オーディエンス・アワード：『フリー・フィルム』（Free Film）24:48/Comedy/2007/アイルランド 監督：カホ・ウォーター（Cathal Watters）

審査委員特別賞：『ある池』（POND）16:49/Dorama/2008/イギリス 監督：ソニア・フィリップス（Sonja Phillips）

フィルムメーカー部門スペシャルメンション：フレデリック・ペル（Frederic PELLE）

最優秀国内作品スペシャルメンション：『大地を叩く女』（THE WOMAN WHO IS BEATING THE EARTH）21:00/Musical/2007/日本 監督：井上都紀（Tsuki Inoue）

特別賞
SSF 環境賞：『ウモ』（OOIOO "UMO"）04:17/Music/2006/日本 監督：後藤章治（Shoji Goto）
札幌市平和賞：『雨の中のキリン』（Giraffe in the rain）12:10/Animation/2007/ベルギー 監督：パスカル・ヒクエット（Pascale Hecquet）
子供審査員賞（ゴールド）：『ウモ』（OOIOO "UMO"）04:17/Music/2006/日本 監督：後藤章治（Shoji Goto）
子供審査員賞（ゴールド）：『小さなおさかなさん』（The Tiny fish）09:35/Animation/2007/ロシア 監督：セルゲイ・リアボフ（Sergei Ryabov）
* 子供審査員賞（ゴールド）：『かわいそうなヨリック』（Poor Yorick）18:00/Animation/2007/ロシア 監督：セルゲイ・ゴルディフ（Sergey Gordeev）

このように、第3回札幌国際短編映画祭は、世界中から集まった多様な短編映画を紹介し、才能あるフィルムメーカーや作品に光を当てる、国際的な文化イベントとして成功裏に幕を閉じました。

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