第3野戦軍

第3野戦軍の概要

第3野戦軍（だいさんやせんぐん）は、中国の国共内戦時代における中国人民解放軍の部隊であり、軍集団レベルの重要な戦力を誇りました。1949年に成立し、以降華東地区の戦略的な役割を担ったこの部隊は、陳毅を司令員として指導の下、数多くの戦役を展開しました。

成立と指揮官

第3野戦軍は1949年2月、中国共産党中央軍事委員会の指示により、前身の華東野戦軍から改名されて発足しました。この時、陳毅が司令員および政治委員を兼任し、その他の指揮官には副司令員の粟裕、第一副政治委員の譚震林、参謀長の張震、政治部主任の唐亮が名を連ねました。部隊は4個の兵団と1個の特種兵縦隊を編成しており、約58万人の兵力を持っていました。

編制の詳細

当初の編成の中で、各兵団には独自の指揮官が配置されていました。第7兵団は王建安が司令官を務め、各軍にはそれぞれの軍長と政治委員が任命され、指揮体制を鮮明にしていました。例えば、第21軍は滕海清が軍長、第22軍は孫継先が軍長として牽引し、それぞれの指導のもとで戦闘力を増強していきました。

戦闘活動

第3野戦軍が編成されると、主力は即座に戦闘準備に入ります。1949年3月中旬には廬江、無為、滁県、六合、揚州と如皋のラインに進攻し、渡江作戦の準備を整えました。そして4月中旬には、渡江戦役を開始し、4月23日には南京を解放しました。この成功に続き、杭州や上海も解放され、京滬杭戦役の終了時までに約40万人の敵軍を壊滅させました。

第7兵団は、華東軍区と協力して浙江省およびその近くの多くの島嶼を解放し、第10兵団はさらに富士市近郊を制圧した後、福建省への進軍を進めました。特に、漳州・厦門・金門戦役においても重要な戦果を上げ、10月には多くの敵軍を撃破しました。

指導機関の統合

1949年7月には、華東軍区との指揮機関が統合され、部隊の組織も大幅に見直されました。この際、さまざまな部隊が再編成され、戦力の効率化が図られました。第9兵団は台湾解放に向けた準備を進めており、その一部は後に朝鮮戦争に参加することになります。1949年12月までには、兵力は約82万5千人に達しました。

消滅までの過程

しかしながら、1950年1月3日には中央軍事委員会の指示により、第3野戦軍の一部部隊（第30軍および第35軍）が廃止され、その要員は華東海軍に編入されました。その年の8月には党組織も解散となり、新しく華東軍区党委員会が設立され、陳毅がその第一書記に就任しました。このように、強力な軍事力を持っていた第3野戦軍は最終的にその役割を終了し、全ての部隊が新たな指揮下に入ることとなったのです。特に、鉄道公安司令部が新たに編成されたことは、この部隊の歴史を象徴する出来事となりました。

まとめ

第3野戦軍は、中国人民解放軍としての重要な役割を果たした部隊であり、国共内戦における多くの戦闘に参加しました。その戦歴は中国の歴史に大きな影響を与え、兵士たちの勇敢な戦いは今でも語り草として残っています。

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