第36回スーパーボウル

第36回スーパーボウルの概要

第36回スーパーボウル（Super Bowl XXXVI）は、2002年2月3日にルイジアナ州ニューオリンズのルイジアナ・スーパードームで開催され、NFLの2001年シーズンの決勝戦に当たります。この試合では、AFCのニューイングランド・ペイトリオッツがNFCのセントルイス・ラムズを20-17で破り、チームとして初めてのスーパーボウル制覇を成し遂げました。また、ペイトリオッツのクォーターバック（QB）トム・ブレイディがMVPに選ばれ、最年少の受賞者となったことでも話題になりました。

背景

2001年のNFLシーズンは、9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生したことが影響を及ぼしました。このため、シーズンは1週間中断され、第36回スーパーボウルの予定が当初の1月27日から2月3日に変更されました。これにより、スーパーボウルが1月以外に開催された初めての例となり、その後、2月に開催されることが一般化しました。

参加チームの道のり

セントルイス・ラムズ

ラムズは1999年シーズンにスーパーボウルで制覇して以来、連覇を目指していました。2000年にはプレーオフで敗退しましたが、QBカート・ワーナーやRBマーシャル・フォークを擁する強力なオフェンスが健在でした。2001年シーズンは開幕から6連勝を記録し、シーズンを通して14勝2敗という成績を残しました。両者が助け合い、ディフェンスも改善され、ラムズは統計的にも素晴らしい結果を残しました。

ニューイングランド・ペイトリオッツ

ペイトリオッツは、2000年シーズンにビル・ベリチックがヘッドコーチに就任しましたが、成績は振るわず、メディアの評価も低いものでした。開幕戦で敗れた後、エースQBのドリュー・ブレッドソーが負傷し、代わりにブレイディが先発QBとして起用されました。彼は非常に印象的な成績を残し、レギュラーシーズンを6連勝で締めくくり、AFC東地区を制しました。

プレイオフの展開

ラムズはディビジョナル・プレーオフでグリーンベイ・パッカーズに圧勝し、NFCチャンピオンシップゲームでも勝利を収めました。一方、ペイトリオッツはオークランド・レイダースとの試合で大逆転劇を演じ、「タック・ルール・ゲーム」として名が残りました。続くAFCチャンピオンシップでピッツバーグ・スティーラーズを下し、スーパーボウルへの道を切り開きました。

試合前の期待感

多くのメディアはラムズの勝利を予想していましたが、ペイトリオッツの巡り合わせの良さを運命的に捉える意見もありました。試合当日、厳重なセキュリティの元、愛国心を刺激するセレモニーが行われ、ペイトリオッツはチーム全員での入場を行う一幕も見られました。この演出は今後のスーパーボウルにおける選手入場のスタイルに影響を与えました。

試合内容

試合はペイトリオッツのキックオフで始まります。ラムズがFGを決めて先制するも、ペイトリオッツがディフェンスで活躍し、前半にリードを奪います。ペイトリオッツは前半終了時に14-3とリードし、そのまま一進一退の攻防が続きました。

後半、ラムズが追い上げを図り、第4クォーターで逆転に成功しましたが、ペイトリオッツも最後のドライブを成功させ、残り7秒で決勝FGを決め逆転勝利を果たしました。この試合は、スーパーボウル史上唯一、最後のプレーで勝利が決定した試合としても知られています。

試合結果と影響

ラムズのカート・ワーナーはスーパーボウルで365ヤードを投げるも敗戦した一方で、ブレイディは145ヤードと控えめでしたが、MVPに選ばれ、QBとしての地位を確立しました。試合後、ペイトリオッツはさらなる成功を収め、ブレイディはNFLの伝説的な存在となります。この試合以後、NFLの構造も変わり、チーム全員での入場が一般化しました。また、ラムズも翌年以降の低迷期が続き、ワーナーはその後チームを去ることになります。ハーフタイムショーではU2が素晴らしいパフォーマンスをし、その後の大会でもしばしば評価の高いものとされています。

第36回スーパーボウルは、ドラマや興奮に満ちた試合であり、NFL史に残る名勝負として語り継がれています。

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