第38期順位戦

第38期順位戦・名人戦

第38期順位戦は、将棋の最高峰タイトルである名人への挑戦権、および棋士のクラス昇降を巡る重要な棋戦として、1979年度から1980年度にかけて行われました。具体的には、1979年6月に開始され、1980年3月に終了しました。

順位戦は、歴史ある名人戦の挑戦者決定システムを兼ねる棋戦です。しかし、この第38期が実施された期間（第36期から第43期まで）は、一時的に棋戦名称が変更されていました。最高クラスであるA級は「名人戦挑戦者決定リーグ戦」、それ以下のクラス（B級1組、B級2組、B級3組、B級4組）は「昇降級リーグ戦」という名称で進行しました。名称は異なりましたが、対局形式や昇降級の仕組みといった実質的なルールには大きな変更がなく、第44期以降は再び順位戦の名称に戻ったため、本項目では便宜上、一般的な「順位戦」の名称も交えて記述します。

この第38期の戦いを経て、名人への挑戦者が決定しました。そして、それを受けて行われたのが第38期名人戦七番勝負です。当時の名人であった中原誠は、挑戦者として勝ち上がってきた米長邦雄王位を迎え撃ちました。七番勝負は熱戦となりましたが、結果は中原名人が4勝1敗で米長王位を下し、見事名人位を防衛する形となりました。

順位戦、すなわちこの期間の「昇降級リーグ戦」は、各クラスに所属する棋士たちが年間を通してリーグ戦を戦い、その成績に応じて次期のクラスが決まる仕組みです。各クラスの規定は以下の通りでした。


B級2組以下では、規定人数の棋士が降級点を付与されます。降級点を累積すると、最終的にはクラス降級につながる厳しいシステムです。

この期の順位戦、そして名人戦は、将棋界のトッププロたちが一年をかけて繰り広げた、ドラマチックな戦いの連続でした。名人挑戦、そして各クラスでの生き残りをかけた対局は、多くの将棋ファンを惹きつけました。名称は一時的に変更されていましたが、その本質は変わらず、将棋界の根幹をなす重要な棋戦として機能していました。第44期以降に再び順位戦の名称に戻ったことは、この棋戦の永続性と伝統を示唆しています。本項目では、この第38期における具体的な昇級者や降級者の氏名、各クラスの詳細なリーグ成績等には触れていませんが、それらは各クラスの個別記事や関連資料で確認できます。

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