第39回全国高等学校野球選手権大会

第39回全国高等学校野球選手権大会

1957年（昭和32年）8月12日から8月20日までの9日間にわたり、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場を舞台に、第39回全国高等学校野球選手権大会が盛大に開催されました。

この大会は、その後の高校野球の歴史においても特筆すべきいくつかの変革が導入された回として記憶されています。

最も大きな変更点の一つは、試合終了後に勝利したチームの校旗が、流れる校歌の旋律とともに、スコアボード中央のポールに掲げられるようになったことです。これは高校球児にとって、自校の栄誉を示す象徴的な瞬間となり、大会の感動をより一層深める演出として定着しました。記念すべきこの制度の第1号となったのは、開幕戦で勝利を収めた坂出商高校でした。

また、メディアによる報道の面でも新たな一歩が記されました。それまでNHKによる中継が中心でしたが、この大会から民放テレビ局である大阪テレビ放送（現：朝日放送テレビ）による実況中継放送が始まりました。これにより、より多くの人々に全国の高校球児たちの熱戦が届けられるようになり、高校野球の人気向上にも貢献しました。

大会には、全国各地から厳しい予選を勝ち抜いた代表校が集結し、甲子園の空の下で白球を追いかけました。試合は序盤から熱戦が展開されました。

1回戦では、開幕戦の坂出商対山形南の試合が、雨天のため途中でノーゲームとなり、後日改めて再試合が行われるというドラマがありました。再試合でも坂出商が山形南に勝利し、2回戦へと駒を進めました。他にも、函館工が佐賀商を破り、宮崎大宮が三国に大勝、岐阜商が津島商工を退け、大宮が松江商に勝ち、寝屋川が黒沢尻工を下し、土浦一が県和歌山商に勝利するなど、各地の代表校が順当に、あるいは激しい戦いの末に次々と勝ち上がりました。

2回戦に入ると、さらに白熱した試合が増えました。戸畑が高知を接戦で破り、上田松尾が平安を下しました。法政二は清水東に勝利。特に延長戦にもつれ込む試合が複数あり、広島商対育英は延長10回、早稲田実対寝屋川は延長11回、大宮対宮崎大宮も延長10回の熱戦の末にそれぞれ決着がつきました。その他の試合では、坂出商が函館工に、岐阜商が土浦一に勝利し、準々決勝進出校が出揃いました。

準々決勝では、広島商が上田松尾に勝利、大宮が岐阜商を退けました。法政二は早稲田実との接戦を制し、戸畑は1回戦から注目を集めた坂出商を破り、準決勝へと進みました。

準決勝では、法政二高校と大宮高校が対戦し、法政二が勝利。もう一方の準決勝では、広島商高校と戸畑高校が激突し、広島商が勝ち上がりました。この結果、法政二と広島商が、栄えある第39回大会の優勝旗をかけて決勝戦で対戦することとなりました。

この大会を通じて、多くの球児たちが全力を尽くし、見る者に感動を与えました。新たな歴史が刻まれた第39回大会は、高校野球の発展において重要なマイルストーンとなりました。

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