第39期順位戦

第39期順位戦

第39期順位戦は、日本のプロ将棋界における最高位のタイトル、名人位への挑戦者を決定するための重要な予選棋戦として、1981年度（具体的には1980年6月から1981年3月にかけて）に実施されました。この棋戦は、実力に応じてA級からC級2組までのクラスに分けられた棋士たちが、年間を通じた総当たりのリーグ戦を行い、上位クラスへの昇級や最終的な名人挑戦権、そして下位クラスへの降級や降級点の回避を目指して競い合います。

特殊な名称期間

長らく「順位戦」の名称で親しまれているこの棋戦ですが、実は第36期から第43期にかけては、公式な棋戦名称が一時的に変更されていました。この期間、最高クラスであるA級は「名人戦挑戦者決定リーグ戦」と称され、それ以下のB級1組、B級2組、C級1組、C級2組はまとめて「昇降級リーグ戦」として実施されていました。しかし、これはあくまで名称上の変更であり、対局ルールや昇降級システムに大きな変更はありませんでした。第44期からは再び「順位戦」の名称に戻ったため、第39期についても便宜上、現在の呼称である「順位戦」として記述を進めます。

クラス構成と昇降規定

第39期順位戦は、実力別に分けられた以下の5つのクラスで構成され、それぞれ独自の昇級・降級に関する規定が定められていました。当時の正式名称と合わせて規定を示します。

名人戦挑戦者決定リーグ戦（A級）
参加棋士の中から、リーグ戦で最も優秀な成績を収めた1名が名人への挑戦権を獲得します。
成績下位2名が昇降級リーグ戦1組（B級1組）へ降級となります。

昇降級リーグ戦1組（B級1組）
上位2名がA級へ昇級します。
下位2名が昇降級リーグ戦2組（B級2組）へ降級となります。

昇降級リーグ戦2組（B級2組）
上位2名がB級1組へ昇級します。
成績下位者4名に降級点が与えられます。

昇降級リーグ戦3組（C級1組）
上位2名がB級2組へ昇級します。
成績下位者4名に降級点が与えられます。

昇降級リーグ戦4組（C級2組）
上位3名がC級1組へ昇級します。このクラスは他のクラスより昇級枠が1名多く設定されていました。
* 成績下位者6名に降級点が与えられます。

これらの規定に基づき、棋士たちは年間を通して厳しい昇降級争いを繰り広げました。クラスアップは棋士としての地位向上や収入増に直結するため大きな目標となりますが、降級や降級点によるペナルティは棋士生命にも関わるため、常に緊張感のある戦いが展開されました。

第39期名人戦七番勝負

順位戦の最高峰、A級を勝ち抜いた挑戦者と前年度の名人によって争われるのが名人戦七番勝負です。第39期名人戦では、当時の名人である中原誠が、順位戦を勝ち上がった挑戦者の桐山清澄八段と対戦しました。結果は、中原名人が持ち前の安定した強さで桐山八段を圧倒し、4勝1敗で勝利を収め、見事に名人位を防衛しました。

第39期順位戦および同時期に行われた名人戦は、名称変更という特殊な期間ながら、棋士たちの熱いドラマが展開された重要な棋戦でした。各クラスでの厳しい昇降級争いと、頂上決戦である名人戦七番勝負が一体となり、この時期の将棋界に大きな注目を集めました。

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