第4インターナショナル日本支部再建準備グループ

政治グループ・MELT：第四インターナショナルの流れを汲む新左翼グループ

政治グループ・MELTは、かつて第四インターナショナル日本支部と関わりを持っていた新左翼グループです。その歴史は、1991年に第四インターナショナル日本支部が、女性差別問題などを理由に支部資格を剥奪されたことにまで遡ります。その後、日本革命的共産主義者同盟(JRCL)を経て、いくつかのグループに分裂。MELTはその一つとして誕生しました。なお、この分裂過程においては、激しい対立は発生しませんでした。

当初は「第四インターナショナル日本支部再建準備グループ」という名称でしたが、2011年2月、総会で「政治グループ・MELT」へと改称されました。MELTは、マルクス、エンゲルス、レーニン、トロツキーの頭文字をとった略称です。

MELTの活動と主張

MELTは機関紙として『インターナショナル』（月刊）と『労働者の旗』（不定期）を発行し、活動の拠点は非公開、連絡手段はメールとなっています。指導者としては、江藤正修氏らが知られています。

近年のMELTの主張の特徴として、政府批判の姿勢が挙げられます。例えば、北朝鮮による工作船事件に関して、同グループは機関紙上で、海上保安庁による撃沈を批判。イージス艦の出動や自衛隊の陣地構築といった軍事的な対応ではなく、情報共有や連携強化による海上監視体制の整備を訴えています。これは、官僚主義や秘密主義を批判する立場に基づいたものです。また、小泉政権（当時）の対応の甘さを指摘し、海上保安官の生命を危険に晒したと非難しています。

2011年3月には、名称変更の理由について説明しています。トロツキズムの思想的有効性の低下と、フランス支部（第四インターナショナルの主要拠点）の解党を背景に、従来の党派再建を目指すのではなく、政治グループとして活動し、「現代資本主義論」の再構築を通じて資本主義社会の克服を目指すという方針を示しました。

MELTを取り巻く環境

MELTは、第四インターナショナル日本支部という歴史的文脈を背景に活動する一方、現代社会における資本主義の矛盾や国際情勢への独自の分析に基づいた活動を展開しています。日本における新左翼運動の変遷を理解する上で、重要な存在と言えるでしょう。

今後の展開

MELTが今後どのような活動展開をしていくのか注目されます。機関紙の発行や声明発表といった従来の活動に加えて、インターネットなどを活用した情報発信や、新たな社会運動への関与なども考えられます。政府批判や外交政策提言といった主張をどのように展開していくのか、そして現代資本主義論の再構築に向けた取り組みがどのような成果を生み出すのか、今後の動向が注目されます。

関連団体

日本革命的共産主義者同盟 (JRCL)
国際主義労働者全国協議会
* 第四インターナショナル日本支部

MELTは、第四インターナショナルの思想的遺産を受け継ぎながらも、現代社会の状況に合わせた独自の活動を行っていると言えるでしょう。その活動は、現代社会の課題を考える上で重要な示唆を与えてくれます。

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