第4次防衛力整備計画

第4次防衛力整備計画

第4次防衛力整備計画（四次防）は、日本の自衛隊にとって重要な軍備計画です。この計画は1970年代初頭に策定され、当時の国内外の状況に影響を受けました。特に沖縄返還や日米安全保障条約の固定期間が切れることを背景に、自主国防論が自民党内で勢いを増し、その中心的な論者であった中曽根康弘が防衛庁長官に就任したことで、計画は中曽根の意向を重大に反映することになります。

中曽根は防衛庁長官に就任して直ちに、前年に完成した防衛白書に対し修正を指示し、「国防の基本方針」の見直しを進めました。彼の自主防衛論は、日米安保体制を根本的に廃止するものではなく、むしろNATO式の防衛体制の構築を目指すものでした。1970年9月にはアメリカを訪問し、総額160億ドルに及ぶ防衛計画について言及し、帰国後には具体的な計画概要を発表しました。

1971年4月には正式な第4次防衛力整備計画の概要が発表され、最大総額58,000億円という大規模な予算が注目を浴びました。この計画が実施されることで、日本の防衛費は世界第12位から6位程度に飛躍する見通しが立ったのです。しかし、計画策定の過程では多数の困難が立ちはだかりました。

特に、全日空機の雫石衝突事故やドルショックによる経済不況が影響し、国民からの批判も多く、江崎鐵磨長官は1971年12月に原案の修正が避けられないと判断し、決定を先延ばしすることにしました。そのため、4次防の正式な決定は年を越すこととなり、この間に中曽根が提案した主要装備が先に予算に組み込まれる事態が発生しました。このことにより、野党は強く反発し、国会での審議が停止する状況に至りました。

政府は最終的に中曽根の原案を撤回し、新たな原案の策定に取り掛かりました。最初の原案の提示から1年半後、4次防は国防会議と閣議の承認を得て成立しました。この1971年に防衛庁長官が相次いで交代する事態もあったことから、政治の動きが防衛政策に多大な影響を与えました。

具体的な目標として、本計画では1972年度から1976年度までの5年間を対象に、通常兵器による局地戦への対応を強化することを掲げました。計画は陸・海・空自衛隊の充実、士気向上、技術開発の推進、国産化の促進、防空能力の強化、機動力の向上を目指しました。また、情勢判断や防衛の構想も追加され、核の脅威に対するアメリカの抑止力への依存や、日本が自ら対応することの重要性も強調されました。

1972年2月8日に国防会議での大綱が決定され、その後主要項目も決められ、最初の経費総額は5兆2,000億円でしたが、最終的には修正され4兆6,000億円となりました。実際の最初の予算は5年間で56,684億円に達し、一般会計の中で防衛費の構成比は平均6.46％、GNP比では0.856％となりました。ただし、経済状況や国際情勢の変動が影響し、予算の積み残し問題が発生しました。

整備目標

この計画には具体的な整備目標が設定されていました。陸上自衛隊では、定員18万人体制を整え、各種戦車や装甲車、自走砲、ヘリコプターなどの調達を進めました。海上[[自衛隊]]は大型護衛艦や潜水艦の整備を行い、航空自衛隊も戦闘機や軍用機を増強しました。これらの目標は、全自衛隊の能力を強化し、変化する安全保障環境に対応するためのものでした。

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