第41回都市対抗野球大会

第41回都市対抗野球大会：激戦とドラマの記録

1970年7月24日から8月3日にかけて、後楽園球場を舞台に第41回都市対抗野球大会が開催されました。前年の記念大会を経て、今大会は通常の形式に戻り、全国から31の代表チームが集結。その中には、西枇杷島町・東海理化、京都市・三菱自動車京都、熊本市・九州産交という3つのチームが初出場を果たしました。特に九州産交は初出場ながら1勝を挙げる健闘を見せました。

今大会の特徴は、各チームのエースを中心とした投手陣の活躍が目立ったことです。多くの試合が息詰まる投手戦となり、その中でも決勝戦は大会を象徴するような激闘となりました。富士市・大昭和製紙と神戸市・三菱重工神戸が対戦した決勝は、延長14回にも及ぶ死闘の末、決着がつかずに引き分け。4時間6分に及ぶ激戦は、両チームの意地とプライドがぶつかり合う、まさに名勝負と呼ぶにふさわしいものでした。

後日行われた再試合では、大昭和製紙が三菱重工神戸を破り、ついに優勝を手にしました。長時間の試合を制した大昭和製紙の粘り強さと、最後まで諦めない姿勢は、多くの観客に感動を与えました。

大会を通じて最も活躍した選手に贈られる橋戸賞には、大昭和製紙の安田猛投手が選ばれました。安田投手は、チームの全5試合（大昭和製紙は2回戦から出場）でロングリリーフをこなし、決勝戦では11イニングを投げ抜くなど、チームの勝利に大きく貢献しました。そのタフネスぶりと安定感は、まさにエースと呼ぶにふさわしいものでした。

久慈賞は三菱重工神戸（川崎重工）の橘谷健投手が受賞。小野賞には神戸市・三菱重工神戸チームが選ばれました。

また、長年にわたり都市対抗野球大会に貢献した選手として、日本通運の佐藤昭投手が10年連続出場表彰を受けました。その長年の功績は、多くの野球ファンから称えられました。

応援団コンクールでは、本田技研が最優秀賞に輝きました。創造性あふれる応援と、選手を鼓舞する熱意は、観客を魅了しました。優秀賞には大昭和製紙、敢闘賞には三菱重工神戸、特別賞にはオール常磐が選ばれ、それぞれのチームを盛り上げました。


第41回都市対抗野球大会は、数々のドラマと感動を生み、都市対抗野球の歴史に深く刻まれる大会となりました。

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