第42回NHK紅白歌合戦

第42回NHK紅白歌合戦の概要

1991年12月31日、通算42回目となるNHK紅白歌合戦がNHKホールにて開催されました。この年の放送は19時20分から21時と、21時から23時45分までの二部構成で生中継され、多くの視聴者に楽しませました。

司会者の選定と人選

紅組の司会者には小泉今日子が最初に打診されましたが、交渉が進まず最終的には浅野ゆう子に白羽の矢が立てられました。浅野は当時、トレンディ女優としての人気を誇り、この特異な起用に多くの人々から期待が寄せられました。紅白本番前には鼻を骨折しているにもかかわらず、気丈に司会を全うし、「こんな形で紅白に出られるとは嬉しいです」と喜びの言葉を口にしました。

対して白組の司会には堺正章が選ばれ、豊富な司会歴を活かして登場しました。彼は出場歌手としての選出はなく、司会者として特化した形でした。この司会発表会見では、多くの記者が驚きの声を上げる場面もありました。

総合司会には山川静夫が起用され、彼は第23回から第33回にかけて紅白の顔であったため、この復帰が大きな注目を集めました。山川は当時58歳という年齢での司会でしたが、男性司会者として最年長の記録を打ち立てることになりました。

番組の流れと演出

開会宣言では、若花田勝と貴花田光司という力士兄弟が登場して盛り上げました。この回の特徴として、オープニングには豪華な演出が採用され、「選手宣誓」が一旦廃止されたことが挙げられます。とんねるずが「情けねえ」を披露し、ボディーペインティングやユニークな衣装で登場するなど、観客を驚かせました。

美川憲一も17年ぶりに復帰し、「さそり座の女」を豪華なアラビアン風の衣装で熱唱し、間奏ではコロッケが登場するサプライズ演出を行いました。さらに、小林幸子は初の空中浮遊に挑戦し、目を引くパフォーマンスを展開しました。

和田アキ子は12月初旬に肋骨を骨折していたものの、無事に退院し紅組のトリを務めることになりました。彼女の歌唱後は、涙を浮かべる場面も印象的でした。

視聴率と結果

この年の瞬間最高視聴率は58.5%に達しました。紅組が8対7で勝利を収め、通算成績は紅組が23勝、白組が19勝という結果となりました。また、番組内では審査員が観客の歓声をデジタルで集計する斬新な方法が採用され、より視聴者を引き込む工夫が施されました。

特別出演者と楽曲

特別に登場したアーティストには、長崎県出身のさだまさしや世界的なスターであるアンディ・ウィリアムスなどがいました。特に、この年初めて出場したSMAPは歌唱中に歌詞が表示されないトラブルもありました。

終わりに

第42回NHK紅白歌合戦は、多くの新しい試みやサプライズを通じて、視聴者に強い印象を残しました。新旧のアーティストが共演し、情熱的なパフォーマンスを披露することで、伝統の中に新たな息吹を吹き込むイベントとなりました。この回は、特に視聴率の面でも大成功を収め、翌年以降にも多くのファンの期待を背負うことになりました。

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