第42期順位戦

第42期順位戦

第42期順位戦は、1984年度（1983年6月〜1984年3月）に行われた、将棋の最高峰タイトル戦である名人戦の予選棋戦です。順位戦は年間を通じて行われるリーグ戦であり、将棋棋士が名人位への挑戦を目指す上で最も重要な舞台の一つです。

期間中の特別な名称について

この第42期が実施された期間を含む1981年度から1984年度にかけては、順位戦は特別な名称で呼ばれていました。具体的には、A級は「名人戦挑戦者決定リーグ戦」、B級1組以下は「昇降級リーグ戦」（例：昇降級リーグ戦1組、2組など）と称されていました。この名称変更は一時的なものであり、基本的なルールやシステムは従来の順位戦と大きく変わりませんでした。第44期からは再び「順位戦」の名称に戻っています。本記事では、便宜的に現在の「順位戦」という呼称を用いて記述を進めます。

各クラスの構成と昇降級の仕組み

順位戦は、棋士の成績に応じてA級からB級1組、B級2組、B級3組、B級4組へと階級分けされたリーグ戦です。各クラスでの年間成績により、上位クラスへの昇級や、下位クラスへの降級が決まります。第42期順位戦における各クラスの当時の名称と、昇級・降級（または降級点）の枠は以下の通りでした。

A級（名人戦挑戦者決定リーグ戦）:
名人挑戦者：1名
降級：2名
B級1組（昇降級リーグ戦1組）:
A級昇級：2名
B級2組降級：2名
B級2組（昇降級リーグ戦2組）:
B級1組昇級：2名
降級点：4名
B級3組（昇降級リーグ戦3組）:
B級2組昇級：2名
降級点：4名
B級4組（昇降級リーグ戦4組）:
B級3組昇級：3名
* 降級点：0名

B級2組とB級3組では、成績下位者に降級点が付与されます。B級4組は降級点はありませんが、昇級枠は他のクラスより多い3名でした。

第42期名人戦七番勝負

順位戦A級で優勝し、第42期名人戦の挑戦者となったのは森安秀光八段でした。名人戦七番勝負は、当時の名人位保持者であった谷川浩司名人と挑戦者・森安八段の間で争われました。

結果は、谷川浩司名人が4勝1敗で森安秀光八段を下し、名人位を防衛しました。谷川名人はこの防衛により、若くしてトップ棋士としての地位を盤石なものとしました。

第42期順位戦は、その名称に特別な時期でしたが、名人戦への道をかけた棋士たちの厳しい戦いが繰り広げられたことに変わりはありません。この期の戦いもまた、将棋史の重要な一頁を飾っています。

もう一度検索