第44回天皇杯全日本サッカー選手権大会

第44回天皇杯全日本サッカー選手権大会

1965年1月11日から17日の間、王子競技場で開催された第44回天皇杯全日本サッカー選手権大会は、特異な形式で行われたことで記憶されています。本大会には、実業団と学生の上位5チームずつ、合計10チームが出場権を得ました。特に、前回の優勝校である早稲田大学と、開催地推薦の関西学院大学が学生チームとして名を連ねていました。

大会の形式

この大会の最大の特徴は、天皇杯の歴史の中でただ一度だけ採用されたグループリーグ方式です。参加チームは5チームずつの2つのグループに分けられ、AリーグとBリーグでの戦いが展開されました。リーグの1位チームはそのまま決勝戦に進出し、2位チームは三位決定戦を戦う仕組みでした。この方式は、試合数を増やすとともに、チーム間の競争をより一層強化することを目的としていました。

決勝戦の進展

決勝戦に進出したのは、八幡製鉄と古河電工の2チームでした。この試合は延長戦に突入しましたが、どちらのチームも決着をつけることができませんでした。その結果、天皇杯史上初めての両チーム優勝が宣言されました。通常のルールでは、決勝戦はPK戦によって決着がつくため、この大会の特別な結果として語り継がれています。

朝日新聞社との共催

この大会の最終日には、朝日新聞社が主催する朝日招待サッカー大会も同時に行われました。このことで、試合観戦に訪れたファンにとって、非常に特別な一日となったことも特徴の一つです。決勝戦だけでなく、三位決定戦も含めた2試合は高い注目を集めました。

出場チームの概略

出場した実業団チームには、八幡製鉄や日立本社、東洋工業といった強豪が揃い、学生チームには早稲田大学を始めとする名門校が名を連ねました。具体的には、八幡製鉄が実業団選手権で優勝し、日立本社が準優勝の実績を持つなど、実力を兼ね備えたチームが続々参加しました。学生の勢力も侮れず、早稲田大学や明治大学、関西大学などがしのぎを削りました。

関連イベント

記録として、この大会以降、関西で決勝戦が開催されたのは2016年の第96回大会まで待たなければなりませんでした。大会のフォーマットや進行方法の変更があったため、その後の大会とは明確な違いが見られるのです。

まとめ

第44回天皇杯全日本サッカー選手権大会は、グループリーグ方式や両チーム優勝といった特異な出来事が連続した大会となりました。サッカー史においても重要な一ページを刻んだこの大会は、参加した選手やファンにとっても、多くの思い出が詰まった瞬間となっています。天皇杯の魅力を再確認させてくれる大会となったことは、後の世代にも語り継がれることでしょう。

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