第48回都市対抗野球大会

第48回都市対抗野球大会 概要

1977年（昭和52年）7月24日から8月2日にかけて、日本の社会人野球の最高峰を決める第48回都市対抗野球大会が後楽園球場で開催されました。

この大会には、多くの常連チームが集結し、初出場は名古屋市・愛知トヨタのわずか1チームのみという顔ぶれでした。しかし、各チームの実力は拮抗しており、大会前は激しい優勝争いが予想されていました。

特筆すべき点として、この第48回大会から、試合時間の短縮を目的としたコールドゲーム制度が初めて導入されました。しかし、実際には接戦が多く展開され、5試合でサヨナラゲームとなるなど熱戦が繰り広げられ、結果的にコールドゲーム規定が適用される試合は一度もありませんでした。特に印象的だったのは、サヨナラゲームのうち2試合がホームスチールによって決着した点です。

そうした激戦を勝ち抜き、栄冠を手にしたのは神戸市代表の神戸製鋼でした。23年ぶりとなる出場で、チーム史上初の優勝を飾りました。チームを牽引したのは抜群の安定感を誇る投手陣で、全5試合を通してわずか4失点という堅守を見せ、うち3試合を完封する盤石な戦いぶりでした。この快挙により、都市としての神戸市に、第6回大会以来実に45年ぶりとなる栄光の黒獅子旗がもたらされました。

大会経過

大会はトーナメント方式で行われ、激しい戦いが繰り広げられました。

1回戦
2回戦
準々決勝
準決勝
決勝

決勝戦（8月2日）

決勝戦は、神戸製鋼（神戸市）と熊谷組（仙台市）の間で行われました。試合は神戸製鋼が勝利を収め、優勝を決めました。

勝投手：増岡（神戸製鋼）
敗投手：林（熊谷組）
本塁打：小林晋（神戸製鋼）

この決勝戦は、大会通算8回目となる無四球試合としても記録されました（投手：神戸製鋼 増岡、熊谷組 林、村中、久保田）。

大会を彩った人々

大会では、個々の活躍やチームの功績を称える様々な表彰が行われました。

橋戸賞（最優秀選手）：増岡 義教 投手（神戸製鋼（三菱重工神戸））
久慈賞（敢闘選手）：伊藤 友幸 監督兼中堅手（熊谷組）
小野賞（好投手）：藤井 栄一郎 投手（丸善石油）
若獅子賞（新人選手）：林 博之 投手（熊谷組）
首位打者賞：原科 政市 二塁手（電電東京）
打撃賞：橋爪 昭二 二塁手（電電東京）

また、長年にわたり都市対抗野球に出場し続けた功労者として、以下の選手が10年連続出場表彰を受けました。

赤平 繁夫 内野手（盛岡鉄道管理局）
斎藤 憲 外野手（盛岡鉄道管理局）
有本 勲 捕手（電電東京（鷺宮製作所））
鈴木 政明 投手（大昭和製紙）
中井 元二 内野手（西濃運輸）
林 教雄 捕手（西濃運輸）
鈴木 憲行 内野手（日本生命）
長嶺 俊一 投手（日本鉱業佐賀関（電電九州））

応援団コンクール

スタンドからの熱い声援を送った応援団に対しても表彰が行われました。

最優秀賞：熊谷組
優秀賞：松下電器、神戸製鋼
敢闘賞：該当なし
特別賞：本田技研

第48回大会は、新たな制度が導入されつつも、最後まで目の離せない接戦が多く、神戸製鋼が歴史的な優勝を飾る memorable な大会となりました。

※参考：日本社会人野球協会会報1977

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